15 sideB
こんな浮かれた生活知られたら事務所のやつらに笑われるに決まってる。
随分遠回りをしてしまったが無事辻川と付き合うことまで進めたこの状況、あいつが俺のつくった飯食べて旨いって笑う現実が正直にやけちまいそうな顔を隠すのにこっちは必至だ。
惚れた弱みか、くそ可愛く見えて仕方ねえ。
「明日あいつも休みか……、」
頭に過るのは明日どっか行くか、ということと今晩どうするか。正直この2ヶ月間、何度部屋に連れ込もうかと考えたことか。でも身体から入ってしまった自分たちの関係を制裁するにはそれが無くても一緒に居ることなんだろうというのが勝手な持論だ。
少なくても半年間、そういう関係だった期間だけでも我慢すべきだと。
「ハアア……」
少し早いがもう何も考えずに寝る体制を取ろう、そう思っていたのに。
コンコン。
「爆豪くん、寝ちゃった…?」
何で普段部屋にあいつが入ってくるようなことしないくせに今日に限って…、
そう思いつつも無視することは出来ない為起きてるとだけ声を上げると入ってもいい?と予想外の言葉が返ってくる。それに反論する間もなく扉は開かれ、横になっていた身体を顔だけ少しそちらに向けたが、その姿を見たことを深く後悔した。
「あ、あの…ばくごう、くん」
んだその恰好。
細くて真っ白な足を曝け出したショーパンの上はVネックの胸元すれすれのニットを身に纏ったこいつは恥ずかしそうにこっちを見ている。こっちの気も知らねえくせに、そんなの襲ってくださいって言ってるようなもんだろうが。
「…用件は」
「え?あ、えっと……」
「ねえなら明日にしろよ。俺は寝る」
自分で決めたことだ。半年は絶対に手を出さない。
俺は布団を被って壁側に身体を向きなおすと、あろうことか辻川は空いたスペースに入ってきやがった。
「ってめ、」
「な、んで…?」
「は?」
「っ……なんで、抱いてくれないの…?」
「…………」
「そういう目で、見れなくなっちゃった…?わたし、がんばるからっ…だめ、かな」
ここまで言われて眠りにつく男いるか?いたら下半身が機能しないやつに違いない。ここまで煽られた上に久しぶりに近くで感じるこいつの香りや柔らかさに俺の下半身は完全に臨戦態勢だ。これは期待に応えないとだよなあ?
「俺はお前との関係をちゃんとしてえと思ったから、ちゃんとしてなかった期間くれえはてめえに手を出すつもりなかった」
「……え?」
「でもてめえがそんなに抱かれてえっつーんなら、仕方ねえよなあ?」
「っ…あ、え、と、」
「頑張ってくれよ、みのりチャン」
振り向くと真っ赤な顔をしたそいつににやけながら頬に手を当てると辻川の方からキスをしてきた。散々それ以上のことしてるくせに、それはただ触れ合うだけでたった数秒のことなのにこれまでのセックスよりも高揚感を覚えた。
「…それだけか?」
「っ…だ、って、……」
「知ってるだろ?なあ?」
「い、いじわる…」
「誘ったのどっちだよ」
「っ……わ、たし」
「だよなあ?じゃあもう一回、」
「したい、してよっばくごう、くんっ」
あーあ、本当どうなっても知らねえ。