電波少年と電波少年と、時々私

 やべーわ、これはやべーわ。電波少年に捕まっちゃったよ。私のこと天女って言うわ、空から降ってきたとか言うわ、我々ニンジュツガクエンとか言うわ…。ん? ニンジュツガクエンって何?

「あの、ニンジュツガクエンって一体」
「天女様、着きました。」
「え、あぁ…どーも。あの、ここって一体」
「そこの入口からお入りください」
「オイコラ聞けよッホホーイ」

まったく聞いてくれない茶髪くんとツリ目くんに見守られながら、でかい建物の入口をくぐる。あ、看板に忍術学園って書いてある。忍術って、…忍者だよね?ここは忍者の学校ってこと? さっちゃん? さっちゃんたちの寺子屋か?

「あ! 食満くん善法寺くん、おかえ…り。その人、は」
「…新しい天女様です」
「…そっか。天女様、この入門表にサインをお願いします」
「え? あ、はい。天女じゃねーですけどね」

なんだかもうツッコミどころが多すぎて疲れてしまった。わたしは新八くんのようなツッコミ属性ではない。ほわほわした人から受け取った筆で入門表とやらにみょうじなまえ、と書き込んだ。

「では、学園長の元へご案内します」
「はいよ、もう何でもいいからちゃっちゃと終わらせて帰らせて」
「…帰る、ね」



***



「わしは大川平次渦正。ここの学園長を務めておる」
「みょうじなまえ、万事屋銀ちゃんでバイトしてます。たまに真選組の女中もやって、そっちの収入でアホ天パたちにいい飯食わせてやってます。もう何なら真選組に転職したほうが幸せになれる気がしてます。土方さんに結婚してもらおうかな。公務員はやっぱり給料が安定してて素晴らしいと思いました。…アレ、作文?」
「…そうじゃったか」
「…突っ込んでよぉぉぉボケ殺しもいいところだよじーさん!? 初対面でボケぶっ込んだわたしも悪かったけどこれはあんまりだぜとっつぁん!」
「誰がとっつぁんじゃ」
「おっ、いいスね。磨けば光りますよきっと。」
「今回の天女様は随分と変わられておるのう…」
「あの、さっきも言われたんですけど、天から降ってきたとか保護とかなんなんですかね? わたし爆発に巻き込まれて、気づいたら森!って感じだったんで、とりあえず帰らせていただきたいんですけど」
「天女様とは…未来からたいむすりっぷしてくるおなごのことじゃ。いつ来るか、そしてどれだけ居るかもばらばら…我々忍術学園は、彼女たちが元の世界に帰るまでの手助けをしているのじゃ」

天女様が降ってくるのは決まって学園の裏々々山じゃしのう、その責任もある。と続けて小さいじーさんはお茶を啜った。ちなみにアツアツのそれは定春より優秀かもしれない謎の犬が煎れていた。何こいつ天人? 今んとこヘムゥしか聞いてないけどめっちゃ感情豊かだよ。すごくね? 忍者の学校すごくね?

「…え、てか、タイムスリップとか未来とか言ってました? いま何時代?」
「ここは室町じゃ。天女様の居た時代からは、500年ほど前らしいのう」
「ご…ひゃくねん? 室町とかよくわかんないすけど、まあみんなが言うならそう…なのかな…」

なんせアテクシ、数年前まで田舎の農家を手伝っていた農民の出である。寺子屋には行ったことがないし、数年前に拾ってもらった銀ちゃんはあんまり過去を語ろうとはしないタイプだし…まあ歴代のテンニョサマが言うならそうなんじゃねーのかな。知らんけど。わたし天女じゃねーけど。

「とりあえず、今は室町時代。ここは忍者を育てる忍術学園で、私は未来からタイムスリップしてきたテンニョサマ。この学園ではそういう人を保護していて、元の世界に帰る手助けをしてくれてる。…で、合ってますか?」
「うむ、その通りじゃ。まあ何をしないと言うのも暇じゃろうて、天女様には学園の手伝いをしていただいている」
「なるほどー、分かりました」


戻る表紙進む