02
「んむ……」
何処かで、花火の音が鳴った。運動会シーズンの季節にはあちらこちらで耳にする音に、眠たい目をしぱしぱと数回瞬かせながら、はるとは大きく伸びをして寝間着を着替えるべくベットから立ち上がった。
今日は小狼にクロウカードを探す手伝いをしてほしいと頼まれた日だった。家の近くにある友枝小学校から微かに聞こえてくる運動会のBGMを時折聞きながら、はるとはスーツに着替え終えると、家を後にした。
小狼と待ち合わせ場所で合流した後、羅針盤の力を借りながら色々な場所を探しまわったが、クロウカードの気配はするのに、中々クロウカードを持っている人間は見つからない。もう、お昼が過ぎようとしていた。はるとが、黙々と探し回る小狼に「小狼、疲れたんじゃないか?少し休んでからでも…」と不安げな表情で小狼を見たが、それに首を振って小狼が「いや、早く探さないと」とまた羅針盤を掲げたのと同時に、小狼がはっと顔を上げた。その様子にはるとが「どうした?」と声をかけようとした瞬間、春に感じたクロウの気配を、感じだ。
「っ小狼!これは…!」
「ああ、クロウカードの気配だ!」
羅針盤に呪文を唱えると、光がずっと遠くを射していた。走り出す小狼の後を風の力を借りたはるとが慌てて追いながら、その方角から家の近くにある友枝小学校ではないかと思っていると、着いた先ははるとが思っていた通り、友枝小学校だった。
運動場を眺めていると、大量の桜の花びらで埋め尽くされていて、生徒の保護者たちも含めてみんなで掃除をしていた。その中に、強くクロウの魔力を感じる人間がいたが、今いるこの場所では見えない。どうするかと思い、小狼の方を見ると、双眼鏡を手に「見つけた …クロウカードの気配だ」と呟いた。
「準備いいな!?」
「…まあな。はるとも見てみろ」
「うん……」
双眼鏡を借りたはるとが、それを覗きこんで確かめてみると、可愛い茶髪の少女が見えた。「可愛い子が新しい持ち主になってるんだな」と微笑みながら言うと、風がはるとに答えるように背中を撫でたので「おっ!お前もそう思う?」と答えながら風たちと戯れていると、小狼が「12月に、ここに転校する」と口を開いた。その言葉に双眼鏡を返しながら、はると静かに頷く。
「じゃあ俺は隣の星條高校に編入する手続きを取ろう」
「ああ、よろしく頼む」
「…色々報告もあるだろうから、12月までは、会えないよな?」
「そうなるな…」
「じゃあ、今日は夕飯俺ん家で食べてけよ!」
「…いいのか?」
「勿論」
はるとの無邪気な笑顔に、張りつめていた気持ちがふっと解れた小狼は、ふっと小さく微笑んだ。
▽△
二人が友枝小学校を去った後、強い風が桜の花びらを袋に集める作業をしていた桃矢たちに吹いて来た。さくらが「今の風すごい大きかったね」と知世に話しているのを聞きながら、桃矢は空を睨むようにして眺めた。その様子を雪兎だけが不思議そうに首を傾げて見つめていた。
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何処かで、花火の音が鳴った。運動会シーズンの季節にはあちらこちらで耳にする音に、眠たい目をしぱしぱと数回瞬かせながら、はるとは大きく伸びをして寝間着を着替えるべくベットから立ち上がった。
今日は小狼にクロウカードを探す手伝いをしてほしいと頼まれた日だった。家の近くにある友枝小学校から微かに聞こえてくる運動会のBGMを時折聞きながら、はるとはスーツに着替え終えると、家を後にした。
小狼と待ち合わせ場所で合流した後、羅針盤の力を借りながら色々な場所を探しまわったが、クロウカードの気配はするのに、中々クロウカードを持っている人間は見つからない。もう、お昼が過ぎようとしていた。はるとが、黙々と探し回る小狼に「小狼、疲れたんじゃないか?少し休んでからでも…」と不安げな表情で小狼を見たが、それに首を振って小狼が「いや、早く探さないと」とまた羅針盤を掲げたのと同時に、小狼がはっと顔を上げた。その様子にはるとが「どうした?」と声をかけようとした瞬間、春に感じたクロウの気配を、感じだ。
「っ小狼!これは…!」
「ああ、クロウカードの気配だ!」
羅針盤に呪文を唱えると、光がずっと遠くを射していた。走り出す小狼の後を風の力を借りたはるとが慌てて追いながら、その方角から家の近くにある友枝小学校ではないかと思っていると、着いた先ははるとが思っていた通り、友枝小学校だった。
運動場を眺めていると、大量の桜の花びらで埋め尽くされていて、生徒の保護者たちも含めてみんなで掃除をしていた。その中に、強くクロウの魔力を感じる人間がいたが、今いるこの場所では見えない。どうするかと思い、小狼の方を見ると、双眼鏡を手に「見つけた …クロウカードの気配だ」と呟いた。
「準備いいな!?」
「…まあな。はるとも見てみろ」
「うん……」
双眼鏡を借りたはるとが、それを覗きこんで確かめてみると、可愛い茶髪の少女が見えた。「可愛い子が新しい持ち主になってるんだな」と微笑みながら言うと、風がはるとに答えるように背中を撫でたので「おっ!お前もそう思う?」と答えながら風たちと戯れていると、小狼が「12月に、ここに転校する」と口を開いた。その言葉に双眼鏡を返しながら、はると静かに頷く。
「じゃあ俺は隣の星條高校に編入する手続きを取ろう」
「ああ、よろしく頼む」
「…色々報告もあるだろうから、12月までは、会えないよな?」
「そうなるな…」
「じゃあ、今日は夕飯俺ん家で食べてけよ!」
「…いいのか?」
「勿論」
はるとの無邪気な笑顔に、張りつめていた気持ちがふっと解れた小狼は、ふっと小さく微笑んだ。
▽△
二人が友枝小学校を去った後、強い風が桜の花びらを袋に集める作業をしていた桃矢たちに吹いて来た。さくらが「今の風すごい大きかったね」と知世に話しているのを聞きながら、桃矢は空を睨むようにして眺めた。その様子を雪兎だけが不思議そうに首を傾げて見つめていた。