ちゅんちゅんと雀の鳴く声が聞こえる。
ザァアーと風が木々を揺らしている音‥‥
喉かな森の中に一人の少女が横たわっていた‥‥
そして目の前には大きな神社のような祠があった。
でも毎日目にしていた神社ではない古い神社のようだった
それにしても何故自分は森の中にいるのだろうか?
そう、意識を失う前は神社で舞っていたというのに
少女は摩訶不思議な出来事に首をかしげるばかりだった
アニメに出てきそうな絵柄のような風景…
そして自分のこの不思議な目線…
自分の身体を見下ろしてみると足が短くなっているし大きくはなかったが人並みにはあった胸が小さくなっていることに気が付いた‥‥
「‥‥?!‥‥胸が‥‥ない?」
それにこの幼い子供のような声は一体!?
見た目は子供頭脳は高校生(大人)!ってどこの名探偵だ!?←
子供が発生する第一声はそれだった。
バクバクなる心臓の鼓動の速さを落ち着かせるためにすぅーはぁーと深呼吸を繰り返してその場に座り込む。
今の現状を整理したいけど自分の見た目がどうなっているのかわからない中身は高校生なのに‥‥
この小さな手…両手を視界の中に入れてグーパーと開いて見せるとやはり自分の手のようだった。
不安な気持ちがぐっと心に重くのしかかる。
森の中に一人取り残されていては右も左もわからない以上下手に動いては余計に迷い餓死してしまうだろう
それだけは避けたい…
そもそもここはどこなのか…運よく人が来てくれれば聞けるのだが…
人が通る気配は微塵もない。
あまり期待は出来なさそうだ‥‥
取りあえず雨が降ったりしても大丈夫なように洞窟とかを探した方がいいのかな?
目の前の神社は建物であるが中に入れなさそうなので
取りあえずその場から離れて風を凌げそうな場所を探す。
しばらく歩いていくと小川が流れていたよかった喉が渇いていたのだ
あたりを見渡して川に近づいて恐る恐る手を伸ばし水を飲む。
「‥‥おい、しい」
思わず感動した‥‥
自然に流れる川の水ってこんなにもおいしいものなのか?
そして目線の先に洞窟があったのを見つけて洞窟の中に入って行ってみる。
「‥‥ここなら野宿するのには最適そうだ」
そうぼやくと僕は自傷気味に笑った。
あとは夜に対応するために、火をつけるのに必要な薪を拾いにいかないと‥‥
あとは食糧‥‥かな?
普段の姿なら森を歩くには問題なさそうだけど子供の足でいくとかなり厳しいかもね‥‥。
そんなことを思いながらも薪を一夜に必要な分と川で泳いでていた小魚を狙いを定めて木の枝で狙い何度も外しながら何とか一匹の魚を仕留めることが出来た。
薪を拾う時にできたあちこちに小さな切り傷が出来てしまったが…まぁ多生の傷はだいじょうぶだろう‥‥。
木の枝同士でこすりつけて火を起こそうとする
が…中々火がつかないようで手が痛くなってきた。
でも諦めずにずっとやっていたおかげで
火が付いたことに心のなしか喜んだ。
「‥‥やっ‥‥た!」
ふと外を見ると既に陽は沈んでいて夜になっていた。
道理で少し肌寒いと思った。
燃えてきた火に魚を一匹刺して焼いてみると何だか旅をしている気分になる‥‥
「‥‥これから‥‥どうしよう」
何故自分がここにいるのかもわからない。
何故自分がこの姿になっているのかもわからない
これは‥‥何かの天罰なのか?
おじいちゃんが与えた僕への試練なのか?
足の間に手を入れて膝に顔を埋めて蹲る。
上手く焼けた魚を手に取り小さく「いただきます」とモグモグと小さく口を動かす。
「おぃ…しぃ」
突然強いられた野宿生活に戸惑いながらも冷静に対応できた自分をほめてあげたいくらいだ。
普段のじぶんなら魚一匹じゃお腹いっぱいにならないのだが…
子供の姿になってしまった今の状況ではこれでお腹いっぱいになってしまった。
兎に角心身共に疲労が激しかったためか
自然と眠りについていた。