俺はアレの回数が見えるという非常にどうでもいい能力を手に入れた。よく広告バナーとかでみるやつ。こんな使い所のない能力とか手にしてどうすんだよ。「お前昨日彼女と盛り上がったんだなー!」って下世話なこと言えばいいのか?……言えねぇ。少なくともオレの周りの連中には口が裂けても言えやしねぇ!
つーか大体どこで使えばいいんだよ。どうせなら透明人間になれる能力とかさぁ時間を止める能力とかもっと便利なのあるじゃん。ああゆうのがよかった。言っとくけど覗きとかエッチなことに使うとかじゃないから。リボーンの目を盗んで少しばかり休憩できたらなあと思っただけで…。

今日も鬼の居ぬ間もとい家庭教師が出掛けている間に執務室を出てきたんだけどどこに隠れよっかな、と歩きながらザッピングをしているとちょうど外から帰って来たらしい骸達を見かけた。

相変わらず仲良さそうだな〜つーか骸遊びすぎ。なんだよその桁違いの数字。見たことねぇよ!対するなまえちゃんなんてお前と比べると桁二つくらい少ない。どうなってんだお前らの比率!あーあ、なまえちゃん可哀想に。そういやこの前骸の浮気がばれて死にそうな顔してたの超ウケたんだけど。必死こいて復縁したって聞いたときにはどうなることやらと思ってたんだけど今のところ何もなさそうだし良かった良かった。
ふたりして仲良く骸の執務室になんか入っちゃってさ。これからしっぽりしけこむのか。仕事中に何してくれてんだ。まぁナニなんだろうけど。仕事しろよ。なんて無責任な妄想を拗らせるなんて……はー虚しい。なんで人様のシモの事情なんか知らなきゃならないんだちくしょう。俺だっていつか京子ちゃんと……そういや京子ちゃんの回数ってどうなんだろう。なんか多かったらやだな。てゆーかできればこれからは俺が京子ちゃんの回数を増やしていきたい。なんちゃって。うへへ………っと、あっぶねっ!

骸の執務室の前を通りかかったらちょうど骸達が出てきた。

急にドアなんて開けんなよ。もー……って、えっ?ちょっと待て。なんで骸お前数字が増えてんだ?!えっ、でもなまえちゃんは全然変わってない。 どういうこと…?いやでもそんな致すような時間はなかった筈。一体どういうこと?

興味をひかれた俺はついつい骸の数字に目を奪われ過ぎていたらしい。

「なんですか、人の顔をジロジロ見て」

不愉快そうに眉をひそめる骸の影からひょっこりなまえちゃんが出てきた。

「こんにちは」

声を掛けてもぺこりと頭を下げるだけでそれ以上はなかった。んーこの子とはなんとなく距離があるんだよなー。やっぱ昔のこと引きずってんのかな。気まずさからぎこちなく笑う俺に察したのか骸がなまえちゃんの肩を抱いてふんっと小馬鹿にするように鼻を鳴らす。あのなぁ、俺だって色々気ぃ遣ってんだからな!

「行きましょう、なまえ」
『はい、骸さま』

去り際、なまえちゃんに気遣わしげな視線を寄越された気がしたけど気のせいかな。さあそろそろリボーンの奴が俺がいないことに気づいて追い掛けてくるだろうから全力で逃げることにしますか!


ALICE+