塾講師と生徒1

おう、この間の物理どうだったー?いいじゃん教えてよ。あ、あたし?じゃーん!18点!選択問題だけ全問正解だったの、すごいでしょ?他?無理無理。だって鉛筆転がせないじゃん。考えるのとか覚えるのとかちょー無理。運に任せるしかないよ。この一転がしに賭けるってね、うははは。進学?しないよー。学校卒業して山本先生のお嫁さんになりたーい!だって毎日お寿司食べ放題だよ。あ〜ぁ、山本先生と付き合いたいなぁ…まぁそれ以前に卒業出来んのかよ、って失礼だな。いや、確かに危ういけど(笑)…え?六道先生?なんで?は、付き合ってないよーまっさか!いくら顔が良くてもあんなオモシロ分け目とかないわーあはははは。いや、マジで。…何か顔色悪いよ、大丈夫?具合悪いの?え、後ろ?何?


『あ、六道先生こんにちわー』

なまえの後ろには顔を強張らせた六道の姿があった。

「…こんにちは。みょうじさん、後で話があります。指導室へ来てください」

表情筋を駆使して作られた笑顔に周りにいる生徒達も自然と緊張した面持ちだ。静かに事の成り行きを見守っている。

『えー、今日帰ったら兄弟の面倒みないといけないから無理でっす』

あっけらかんと答えるなまえにその場に居たものは心から拍手を送ったという。

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