Rhapsody in Green


出会いと再会と


友人とマジバで、さっきの試合の話で大いに盛り上がって、それから寄る所があるからと別れた。

本屋で欲しい本を無事にGET出来て、ご機嫌な私は、とある公園の傍を通りがかった。
ストリートバスケのコートで、何人かがバスケをしている。
さっきの白熱した試合を思い出して、足を止めたものの…不穏な様子に眉をひそめる。

五人組が三人組に絡んでいるみたいだ。
一見、バスケをしている様であるが、あれは明らかに体当たりかけて殴った!?

何あれ。

今度は蹴りを入れた?

私は思わず駆け込んだ。
多勢に無勢は、いくら何でも卑怯だろ!!
『ちょっと、何してんの!?』
「あ〜?女はすっこんでなよ」「それとも、お前が俺達の相手をしてくれんのかよ?ぎゃはは!!」
私に触んな!タマ蹴るぞ!!!

「どう見ても卑怯です」
頭に包帯を巻いた黒子君が、ボールを指先で回しながら私の横に並んだ。
そういや、試合中に怪我したんだった。大丈夫なのかな?
回したボールで、鼻面を掠めた男が痛そうに鼻を押さえる。
「なんだてめー、どこから湧いた!?」
『黒子君!?』
「お久しぶりです、苗字さん」

「ナイト君、登場か〜?」
「暴力はダメです!」
黒子君を絞め上げながら、男達が凄む。
どう見ても、体格差的にこちらの方が不利。
『やめなさいよ!…やめないと…』
私は男の股座を狙って足を引いた。同時に鞄を構える。

「あのー俺ら混ざっていいっスか?」
「つーか、何いきなりかましてるんだ?てめー」
黄瀬君と、誠凛の赤い髪の人…火神君が登場した。
あれ、…そう言えばそんなシーンがあったっけか。
結局、私の攻撃は不発に終わり、彼等はバスケで対戦した。

そして…とても楽しそうに
…瞬殺!!

※※※

「お前等は、何を考えているんだ!?」
私は黒子君と並んで、火神君から説教されてる。
つーか、初対面の女に拳骨はやめろ。流石に手加減はしていてくれたみたいだけど。

「あのまま喧嘩になったら、勝てるつもりだったのかよ!?」
「いや、100%ぼこぼこにされてました」
『私はあそこに蹴りを入れてやるつもりだったけど』
ボソッと呟いた。

……あれっ!?火神君が引いてる? 黄瀬君も心なしか…引きつっている様な?

「見てください、この力瘤」
「ねえし!!!?」
「黒子っちって、たまにスゴイよねーw」

そして黄瀬君は私に向き直った。
「女の子が向かって行ったらダメっスよ。緑間っちが知ったら心配するっスよ」
『…なんで、そこで緑間君が出て来るの?』
私は首を傾げた。

「緑間君…苗字さんは、秀徳に行ったんですか?」
『うん、同じクラス』
「黒子っちとは、仲いいんスか?」
『帝光の時は、同じクラスになった事もあるよ』
「本の事とか、よくお話しました」

そして、改めて火神君に自己紹介する。
『苗字名前です。助けてくれて、ありがとう』
深々と礼をする。
火神君は照れたのか、頬をかきながらそっぽを向く。
「お前も先を考えて、無茶するんじゃねーぞ?」

「…それじゃ、俺はそろそろ行くっスわ。名前ちゃんは俺が送って行くっス。
最後に黒子っちと一緒にプレイが出来たしね!」

「……苗字さんに手を出したら、僕が許しませんよ?」
「…信用ないっスね」

「あと、火神っちにもリベンジ忘れてないっスよ!」
「か、火神っち!?」
「黄瀬君は認めた人には〜っちと付けます。良かったですね」
「……やだけど!!??」

※※※

黄瀬君と並んで歩く。
道行く人がちらちらとこちらを見る。
…そう言えば、黄瀬君って売れっ子のモデルだったんだよね。
私なんかと一緒に歩いて、大丈夫なのかな?

「名前ちゃん、緑間っちとはどういう関係なんスか?」
それは、さっき緑間君が説明したと思うんだけど…

『クラスメイトですけど?』黄瀬君の質問の真意が分からない。
「んー、ただのクラスメイトにしては、緑間っちの態度がどうにもおかしいんスよ。普段はどんな仲なんスか?」
『席が近いし、割とよく話すかな? 態度がおかしいって、どういうこと?』
「さっき俺と話している時に、緑間っちが名前ちゃんを引っ張ったでしょ? あれじゃまるで…」(…妬いているみたいっス)
最後の方が、声が小さくなって聞き取れない。
私は首を傾げた
『確かに、いきなりのあれはびっくりしたね。緑間君らしくなくて。もしかして早く帰りたかったのかも?』
「名前ちゃんも大概鈍いっスね…」

※※※

家まで送ってくれたので礼を言うと、黄瀬君は「礼はいいっス。その代わりに携番とアドレスを教えてくださいっス」と言うので、交換した。
…これは友人には言えないなぁ…


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