Blue simulation
Riq.no1 (青峰とお家デート )
*設定
夢主は、桐皇の同級生。
※※※
発端は、さつきちゃんの一言からだった。
「青峰君!週末は、おじさんとおばさん、旅行でいないんだって? 夕飯、作りに行ってあげようか?」
青峰君は、飲んでいたスポドリを吹き出し、咳き込んだ。
「うわっ!!汚っ!!!」
さつきちゃんは飛び退いた。
「冗談じゃねーよ!俺はまだ、死にたくねえっつーの!…弁当買ってテキトーに食うから心配するな」
「何よ!選手の食生活を気にするのも、マネージャーの務めでしょ!?コンビニ弁当なんて、栄養バランスが…!」
「栄養バランス気にする前に、命落さなくて済む物を作れ!」
「なにそれ、酷い!」
「ひでーのは、おめーの料理だろ!!」
そして、そんな口論の挙句、青峰君は最近付き合い出した私を見る。
「…名前、おめー、料理は?」
『…は?』
「料理!贅沢は言わねえ。食える範囲の物は作れるか、って聞いているんだよ!!」
食える範囲…ハードルが低いのは、さつきちゃんに感謝だな。
『……一応は。家族には時々作って食べて貰ってはいるけど』
評判は悪くないよ、と言葉を続ける。
それを聞いた青峰君は会心の笑みを浮かべた。
「なら…大丈夫だな!よし名前、おめー、週末の昼から俺の家に来い!」
『え…ええっ!?…それって、お家でデートって事?』
「あ…?ああ。まぁ、そうなるな」
あれ?青峰君、そっぽ向いちゃった。
耳が赤くなっているけど…もしかして…照れてる?可愛いな。
※※※
週末、私は青峰君の家に行くのは初めてなので、迎えに来てもらった。
そして、途中のスーパーで夕食の材料を買い込む。
「おめー…夕飯のメニューは何にすんだ?」
『ゴーヤチャンプルー』
「てめー、ふざけんな(怒)」
私は、さつきちゃんから、既に青峰君の好き嫌いについてはリサーチしている。
青峰君の突っ込みにクスクスと笑いを零す。
『嘘だよw…煮込みハンバーグ、なんてどうかな?』
青峰君は目を輝かし、私を後ろからギュウッと抱き絞めた。
「やっぱ、肉料理だよな!名前おめー、分かってんじゃん!」
ゴーヤ、苦えから嫌えなんだよなー、とブツブツ零す青峰君は、大きいのに子供みたいで可愛い。
青峰家に着いて、台所で一緒に料理する。
と言っても、青峰君は主に私にちょっかいかけるだけだけど。
「うわっ!玉ねぎ切んな!目に染みんだろが!」
『…玉ねぎ切らなきゃ作れないし。それに切ってる私の方が痛いよ…』
涙目の青峰君ってレアだな…
青峰君は、横で野菜を洗ってくれている。
そして、ぼそりと一言。
「…こうしていると俺達、まるで新婚みてーだな」
青峰君の爆弾発言に動揺した私は、思わず包丁を持った手を滑らし、指先を傷付けてしまった。
『痛っ!!』
「何やってんだよ。指見せろ!」
青峰君は私の手を掴み、指に滲んだ血をぺろりと舐め取った。
『………!!』
私は思わず、びくりと身体を震わす。
「傷口洗ってろ。…絆創膏、持って来てやる」
……さっきの青峰君の熱い舌の感触を思い出し、私は全身がかっと熱くなった。
新婚…って、何を考えているの!?私っ!!??
※※※
それからは、無事に料理も出来た。でも、夕飯までには、まだかなりの時間がある。
青峰君はご機嫌だった。
「これからどうするよ?テレビつっても大した物やってねーし…一応アクションホラー物のDVD借りてあるけど観るか?」
『それなら、昔ながらのボードゲームを持って来たんだけど、やる?』
私はゲームを取り出した。
「おー、人生ゲームか。…何だか新鮮だな」
青峰君は身を乗り出した。
『これって、少しルールが変わってて、男女どちらでも好きな駒を選ぶ事が出来るの。
後は資金配って、ルート決めてルーレットして…そこは同じだね』
「早速やろうぜ」
私と青峰君は、互いに並んで駒を進めて行く。
「やった! NBA選手になったぜ!!」
『そんなんあるんだ…私は芸術家コース…講習代で…うわぁ…ビンボー…』
青峰君はゲラゲラ笑ってる。
更に、青峰君は油田採掘で大金を当てた。
「やったぜ!!これで、俺の勝ちだな!!」
『何をっ!?まだこれからだよ!!』
私はルーレットを回す。
『やったっ!コンクール優勝っ!!金持ちのパトロンが付いたっ♪』
「ちっ!俺は付き合った女に騙されて、財産持ち逃げされた…だと!!?」
……何だか、変にリアルと言うか…世知辛いゲームだなぁ…
『また、作品が評価!高値で売れる…これは、分からなくなったねw』
「俺の番か。…げっ、石油価格が暴落!、カジノで大損…これじゃ、ほとんど文無しじゃねーか!!」
『はははw…中々波乱万丈の人生だね!私は…っと』
ルーレットを回した数字まで駒を進めた。
『おっ♪イケメンな大金持ち男子と結婚!!!やったーーーっ!!』
途端に、青峰君のこめかみに青筋がピシリと入る。…怖いって。
私は、車にもう一つの青いピンを刺した。
『おっ先ー♪』
…と、駒を置いた所で、車ごと青峰君に取り上げられた。
『ちょっとー!?何するのよー!?』
「名前、おめー…俺以外の男なんかと結婚するつもりかよ!?」
『はぁ!??』
もう、何言ってるの、この男は!!??
『だって、ゲームじゃん!』
「ゲームでも許せねえ」
『ちょっ…ちょっと!?』
私の抗議も虚しく、青峰君は私の車から青いピンを外して放り投げ、自分のピンを突き刺した。
「これでよし」
満足そうに頷く。
…の、乗っ取られたーーーっ!???ってアリなの?これ!???
『何乗っ取ってんのよ!?これじゃ、勝負出来ないじゃん!!』
「もう、勝ち負けなんて気にすんな。一緒にクリアすりゃいいだろ」
私の抗議に青峰君は、どこ吹く風で総スルーしやがった。
ゲームのルール、全否定かよ。
色々と突っ込みたかったけど、青峰君の楽しそうな顔を見ると、そんな気が萎えてしまった。
『…まぁ…遊びだしね。楽しければ良いのか…な?』
でも、これって…略奪婚ってヤツかなぁ。
…まぁ…青峰君に略奪されるなら、それも悪くないな。そんな波乱万丈人生なら大歓迎だ。
「名前、何ニヤついているんだよ?」
『えっ…?いやー、大輝に略奪されるなら、それもいいかなー♪って』
途端に青峰君の顔が真っ赤になる。
「……おめー…よく、そんなこっ恥ずかしい事が言えんな…」
『さっきの新婚発言の方が、余程恥ずかしかったよ!』
「何でだよ?だって、俺らはいつか結婚すんだろーが!」
『えっ…!?』
「何驚いているんだよ?」
今…何を口走っているのか、自覚あるのかこの男は!?
事実上のプロポーズだって、分かっているのかな?
「俺は、お前に、いい加減な気持ちで告った訳じゃねーよ。…お前こそ分かってんのか?」
……どうしよう。…凄く嬉しい。
私は、顔が緩むのを抑える事が出来なかった。
私は青峰君に抱き付いた。
「うおっ!?名前、いきなり抱き付くな!」
『大輝、良いよ。…一緒にやろ?』
「おー」
青峰君は、私の身体に腕を回し、きつく抱き締めた。
それからは、私は青峰君に抱えられる様な姿勢でゲームを続けた。
二人で交互にルーレットを回す。
それからは、トントン拍子に金が集まり、億万長者ルートに入った。
青峰君は、私の肩に顎を乗せ、お腹に手を回して引き寄せる。
彼の息が頬に当たって、くすぐったい。
「ま、俺に勝てるのは俺だけだが、おめーと組めば益々向かう所敵無しだな!」
『そうだね。でも、私は…開拓者ルートでも、大輝となら楽しそうだと思うけどね』
「おめー…一々言う事が可愛いーんだよ!」と、言いながら、彼は私の頬にキスをした。
ゲームクリア後、一緒にご飯を食べて、青峰君は満足そうだ。
料理は合格点かな。私も楽しかった。
『どうする?DVD観る?』
「いや…今はいいわ。…それより名前、ここに座れ」
青峰君は、隣の場所を叩く。
『…ここ?』
「そうだ。…膝を貸せ」
『えっ?』
青峰君は、私の腿に頭を乗せると、ゴロリと横になった。
『こっ…こら!!』
「いいじゃねーか、減るもんじゃねーし…あー…すべすべして気持ちいー…」
青峰君は軽く欠伸をすると、あっという間に寝落ちしてしまった。
『ふふ…お休み、大輝』
私は、彼の髪を優しく撫でた。
青峰君となら、出鱈目な人生ゲームでも、こんな穏やかな毎日でも、きっとどっちも退屈しないだろうな。
私は、膝の上で寝息を立てている彼の額に、軽くキスを落とした。
END
※※※
ミエ様
いつも、ありがとうございます!
お楽しみいただけましたでしょうか?
「青峰とお家デート」で、何故か人生ゲーム…
青峰が暴走する所は、書いていて楽しかったです。
もう少し、甘さを出せれば良かったかも…?
力不足で、すみません。
素敵なリクエストを、ありがとうございました!