Request


ときめき☆学園love・キセキ攻略編-1-




Riq.no2 (キセキのみんなと謎解き)

*夢主設定
帝光中学2年・バスケ部一軍マネージャー 外見は地味系、隠れオタク。

※※※

カチャカチャカチャ…
私はひたすらにキーボードを叩く。
『さぁ…出来た!』
私は眠い目を擦り、ようやっと出来たゲームをPC画面で確認して、満足気な笑みを漏らす。

今、私が作ったのは、女性向けの恋愛シミュレーションゲーム…所謂「乙女ゲーム」
乙女ゲーム作成アプリで、台詞と画像を取り込んで作成した。
『うーん…シナリオから作ったから、すごく手間がかかったけど…我ながら良い出来だな♪』

私は対外的に内緒にしてるが、アニメや漫画が大好きで、正直…三次元より二次元のキャラの方が好きだ。
でも、今の私は、強豪バスケ部の一軍マネージャー。イラスト描く時間すら、中々取れなくて…
それでも時間の合間を見て、趣味と気晴らしを兼ねて少しずつ作成した。

攻略キャラは、バスケ部一軍の「キセキの世代」と呼ばれるようになった彼等。
折角、三次元の美味しい連中がいるんだ。せいぜい活用させてもらおう。
でも、私は三次元の彼等には興味がない。

やっぱり、二次元>三次元でしょう!!

私は、一軍のマネではあるが、彼等とは一線を引いて近付き過ぎず、でも観察をして自分なりに考察したキャラクターを描いた。
同じ様な趣味の友人達と、こっそりCDを焼増したのを配布して楽しむつもりだ。

でも、そんな私の趣味が、とんでもない事態を引き起こす事になるなんて、今の私には想像も出来なかった。

※※※

-女子更衣室-

「ねぇ、名前ちゃん!…これ、知ってる?」
桃井さんが目を輝かせて、私にこっそり見せた物、それは。

「じゃーん!"ときめき☆学園love!!"って、恋愛シミュレーションゲームだよ!!!」
『ああ。…最近、女子達の間で秘かに流行っているよね』
私は、自分が作った事は知らん振りして頷く。
「これね、何が凄いって、テツ君まで隠しキャラとして攻略出来る仕様になっているんだよ!!!」

隠しだから、全員攻略した後で、見付けるのが結構大変なんだけどね、と楽しそうに笑う。
…楽しんでくれている様で何より。

「主人公がバスケ部のマネージャーなんて、まるで私達みたいね!」
『そうね。…私も、これ結構面白いと思うよ。キセキ攻略とか、実際の彼等を知っているとますますね』
「そうなんだよねー、これ、キャラクター達の好みもまんま同じだし。…一体、誰が作ったんだろうね?』

『さてねぇ?…誰なんだろうね?』
私が思っているより、広範囲の女子達に広まっているみたいだ。
私は内心でほくそ笑んだ。

※※※

それから数日後

私は赤司君から、部のミーティングルームに呼び出しを受けた。
そこには、一軍の…キセキの世代達が全員顔を連ねていた。
いつにない、異様な雰囲気に私は緊張した。

…何故、桃井さんではなく、私が呼ばれたのだろう?

「苗字、君はこれが何か知ってるかい?」
私は、目の前に出された物を見て、息を飲んだ。

それは、私の作成したゲームだった。
何で…彼等が持っているの?

内心の驚きを押し隠して、私は努めて平静を保つ。
落ち着け、私!! まだ、ばれたと決まった訳じゃない。

『…最近、帝光の女子達の間で流行っていると言うゲームですね。何故、それを?』

私の問いに、黄瀬君が説明を始めた。
「俺のファンが持って来てくれたっスよ。…俺達が攻略対象キャラになってて、びっくりしたっス!
名前は少しずつ違うけど、似顔絵は良く似てて、キャラ設定はほぼまんまだったっス」

私は内心で臍を噛む。
全く…!黄瀬君のファンは余計な事ばかりしてくれる。
ソフトの注意書きに、女子のみプレイ可。男性には口外無用、と書いてあるのに。日本語も読めないのか。

赤司君がゆっくりとした口調で続ける。
「このゲームは、作成者が分からなくてね。俺達は、無断で俺達を使ったゲームの作成者を探したいんだが。
…苗字、協力してくれないだろうか?」

私は絶句した。混乱する頭を整理しながら言い返す。
『……それなら、私よりも桃井さんの方が適任では?』
「俺は、君の方が適任だと思っている」
『…何故ですか?』
「……俺は、このゲームを一応プレイしてみたんだ。…この主人公の立ち位置は、桃井よりもむしろ君に近い
だから苗字、是非君に協力して欲しいと思った」

……す、鋭い分析で。…つか、この赤司様が、どんな顔してプレイしたんだろう?
冷や汗が私の背中を伝っていく。

私は半ばパニクリながらも、フル回転で頭を働かせた。

相手は赤司君を始めとしたキセキ達だ。
だから、かなりの危険を伴うけど…探す方に加わるなら、或いはミスリードして煙に巻けるかもしれない。
私は頷いた。『……いいよ。協力する』

「ありがとう苗字。助かるよ」

緑間君が、眼鏡を上げつつ説明する。
「このゲームを解析した結果…このゲームの作成者は、俺達をとても良く知っている人物だと言う結論に至ったのだよ」
『どうして?』
っつーか、かなりもう、核心に迫っているのと違うか?

「攻略するに必要な情報…
好感度上げるアイテムが、俺の場合はお汁粉、赤司は湯豆腐、紫原は練るタイプの菓子…
好感度が下がるアイテムが、俺は納豆、黄瀬は鰻、青峰はゴーヤ…全て本人と一致してるからだ。
作品中では、赤城、緑川、黄和田、青山、紫沢、黒瀬…となっているがな。
…苗字は、このゲームをプレイしたか?」

まさか…作りました、とは言えないよなぁ。
『ええと…少しだけ』
「なら、話は早いのだよ。他に気付いた点はあるか?」
『そうですねぇ…』

私は、ノート型PCに映し出されたゲーム画面を見ながら言葉を探した。
全く知らぬ存ぜぬで通す事は出来ないが、下手な事を言えば、墓穴を掘る結果になるから、私は慎重に口を開いた。

『…この…背景の画像ですけど、ここの帝光中学と似てるな、とは思いました』
青峰君が、背後から私の肩に腕を乗せて画面を覗き込む。…あの。重いんですけど。

「おー、言われてみれば。…つか、同じじゃん? これって、一軍の体育館の入り口じゃね?」
「へ〜…じゃあ、作ったのは帝光生ー?凄いねぇ」
気怠げに紫原君も覗き込む。…てか、私の頭の上で、まいう棒食べるの止めて。

「恐らくな。或いは、教師か職員とかの関係者の可能性もあるな…
この背景画像は写真を加工した物だ。つまり、外部の人間がこの画像を使うのは難しいのだよ」

『…作成者か、その関係者が学校の中にいるのは確かだとしても、このゲームの中の貴方達の情報は、ファンなら大体は知っているんじゃない?』
「否定はしないっス。調理実習でオニオングラタンスープだった時は、沢山持って来られて大変だったっス!」
「聞いてねーよww」青峰君の茶化しに黄瀬君が抗議する。
「酷いっス〜!!」

「ふむ、絞り込むのは中々難しいようだね…」赤司君が腕を組んで考え込む。

緑間君が、各キャラの情報画面を開く。
「これは、中々良く出来ているのだよ。
好感度上げる主人公の服装が、赤司の場合は優雅、黄瀬は流行、俺は大人系クラシカル、黒子は清楚。……青峰は」

「俺の場合は何だって?」
青峰君は興味深々で訊いてくる。
「……っ、ふしだらなのだよっっ!!!」
「何怒ってんだよ、緑間ー?」

「成程ね〜…お色気系だってー。で、俺は〜………」と言ったきり、紫原君は黙り込んだ。
「どうしたんスか?紫っち」

「紫原はトールサイズ…!?ぶっは!!!ウケるーwwwサイズってwww!!!」
「チビでもトールサイズ着ろってかーwww」と、青峰君の突っ込みが入る。
…そこまで考えていなかったってば。…胸パッドとシークレットブーツも、攻略アイテムに入れとく必要があるかも?

腹を抱えて笑い転げる青峰君を、紫原君は睨みつけた。
「面白くなんかないし〜…いくら峰ちんでも捻り潰すよ?」

あああ…私の作ったゲームで喧嘩は止めてよ…
私は頭を抱えた。
そんな私に、赤司君は怪訝な表情をする。

「どうしたんだい?苗字?」
『あの。一つ聞いて良いですか?』
「何なりと」
『貴方達は、この作成者を捕まえたら…どうするつもりなのですか?』
「………」
『…あの?…赤司君?』

赤司君は、無言で鋏をチョキチョキ動かしてる。…こ、怖い。
「苗字、俺は質問を許可したが、答えるとは言ってないよ」
赤司君は笑顔で返した。…けど。
…何?この威圧感……?

私は、自ら名乗り出るのは断念した。
これでは、もう、覚悟を決めて、隠し通すしかない!

彼等は、暫く話し合ったが、決定打は出なかった。
私は内心で胸を撫で下ろす。…このまま有耶無耶になるといいなぁ。

「作成者を特定するには、まだ材料が足りないね」
「手掛かりになりそうなのは、まず広まったルート、絵の描き手の特定なのだよ…後は?」
「ゲームの中に、何かヒントになりそうなものがあるかもしれないな」
「帝光中内の、絵を描ける生徒に総当たりするか」
「では緑間には、それを頼む」

「俺もファンに、配布した相手を聞いてみるっス!」
「…そこからも辿ってみる価値はあるな。頼んだぞ、黄瀬」
「任せるっス!」

「俺、飽きたわー」
「腹減った…お菓子ない〜?」
青峰君と紫原君は、我関せずだ。

「苗字は」
赤司君が私を見た。
『えっ…?』
「ゲームの内容、台詞等を詳しく書き出してくれるか?」
『それって…膨大な量になるよ?』
「構わない。…やってくれるね?」

自作のだから、プレイするまでもないけど、フラグ毎と考えると大変な手間になる。
私は引きつったが、赤司君の柔らかい態度の中の、有無を言わせぬ静かな迫力に押されて、いつの間にか私は頷いていた。
『…わ、分かった。時間はかかるけどやってみる』


私は彼等と別れた後、早速対策に動いた。
先ずは、配布元の特定が困難になる様に、口止めをする事だ。
特に黄瀬君のファンが要注意だな。

私の同好の彼女達は、私の頼みを快く聞いてくれた。
でも、彼女達からは「続編のゲームもよろしく〜♪」と言われてしまった…マジか。




index / page / top

|


ALICE+