04
先ほどの重苦しい空気はどこかに消え去り、紗良も、他の皆の顔にも笑顔が戻った。
「カルマ君のお陰だね」
紗良はカルマに駆け寄ってそう言った。
「別に、俺は言いたいこと言っただけだよ」
なんてことのないようにカルマはそう返す。
「けど、テストもすごいね。100点なんてなかなか取れないよ」
「まぁ数学は得意だしね。あ、もしかして惚れ直しちゃった?」
冗談めかした様子でカルマは紗良に問いかけた。
「ほ、惚れてる前提なの……?」
「あれ、違った?」
「う、うーん。けど……」
「?」
「ちょっとかっこいいなって、思ったよ」
紗良は少し照れつつ、はにかんでそう告げた。
テストの点もそうだが、重いクラスの雰囲気をガラリと変えたカルマを、紗良は素直にすごいなと思っていた。
まさかそんな言葉を言われると思っていなかったカルマは少し面食らったような顔をして、一瞬固まっていた。
「カルマ君? どうしたの?」
「……たまに不意打ちするよね、紗良は」
「へ、不意打ち? わわっ」
カルマは少し乱暴に紗良の頭を撫でる。
「そういう無自覚なところがたち悪いんだよねぇ」
「……?」
紗良はよく分からないまま、しばらくカルマに頭を撫でられていたのだった。
テストの時間 end
2015.11.20
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