03
そして、3年1学期の中間テストを迎えた。
始めのほうは好調に問題を解き進めていく紗良だったが、後半の問題で習っていないはずの内容が出題されていて思わず手が止まる。
(あれ、ここって試験範囲じゃなかったよね……?)
中間テストの2日前、全教科で出題範囲の大幅な変更があったが、E組にはそれが知らされていなかったのだ。
結果、E組の皆は点数が伸びず、50位圏内からはじき出されてしまった。
紗良は返ってきた自分の答案をみて溜め息をはいた。
(勉強、頑張ったのにな……)
範囲変更で習っていない部分が解けていないのは仕方ないとはいえ、点数を見るとどうしても落ち込んでしまう。
努力をしても、今回のようにE組に対する理不尽な差別的扱いがある限り報われることはないのだろうかと思うと、辛い気持ちになった。
「……先生の責任です。この学校の仕組みを甘くみていました。君達に顔向け出来ません」
生徒たちだけではなく殺せんせーもショックを受けいるいうで、黒板の方を向いて皆に背を向けたまま教壇に立っている。
教室内に重い空気が漂う中、カルマが静かに席を立った。
(カルマ君……?)
紗良が少し不思議そうにカルマの方を見上げると、カルマは慰めるようにポンと紗良の頭に手を置いた。
そして真っ直ぐに殺せんせーの方へと歩いていき、後ろを向いたままの殺せんせーにナイフを投げた。
「にゅやッ!?」
殺せんせーは慌てて振り向きナイフをかわす。
「いいの〜? 顔向け出来なかったら、俺が殺しにくんのも見えないよ」
「カルマ君! 先生は今落ち込んで……」
そう言って怒りだす殺せんせーに、カルマは自分のテスト用紙を投げ渡す。
国語98点、数学100点、英語98点、理解99点、社会99点。
「俺の成績に合わせてさ、あんたが余計な範囲まで教えたからだよ」
高得点のオンパレードに、教室内から口々にすごい、と声が上がった。
「……で、どーすんのそっちは?全員50位以内に入らなかったって言い訳つけて、ここからシッポ巻いて逃げちゃうの?それって結局さぁ、殺されるのが怖いだけなんじゃないの?」
カルマが殺せんせーを煽ると、クラスの皆も教壇の周りに集まってきて、殺せんせーを挑発し始めた。
「なんだー殺せんせー怖かったのかぁ」
「それなら正直に言えばよかったのにねー」
やがて殺せんせーは顔を真っ赤にして、怒りだした。
「にゅやーッ!! 逃げる訳ありません!! 期末テストであいつらに倍返しでリベンジです!!」
教室内に一斉に笑い声が湧き上がった。
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