12
翌朝――。
最終日の今日は班ごとに京都を自由散策することになっていた。
「カルマ君、おはよう!」
紗良が笑顔でカルマに元気よく挨拶をすると、カルマは面食らったような顔をした。
「? どうしたの、カルマ君」
「いや、なんか思ってたのと違ったから。……俺が昨日言ったこと忘れてるわけじゃないよね?」
昨日は顔を真っ赤にして戸惑う様子を見せていたのに、すっかりいつも通りに戻っている紗良をカルマは少々意外に思った。
「うん。ちゃんと、覚えてるよ。考えたんだけど……私ね、カルマ君のこともっと色々知りたいなって」
「?」
「もっとカルマ君のこと知って、もっともっとカルマ君と仲良くなりたいなあって。だから……これからも、よろしくね?」
紗良がニッコリと微笑んでそう言うと、カルマはぷっと吹き出した。
「あはは、何それっ」
「な、なんで笑うの……!」
「いや、なんか気が抜けたというか……。まぁ、紗良らしいね。こちらこそ、これからもよろしく」
「うん!」
カルマと紗良がそんな会話を交わしていると、渚やカエデ達の呼ぶ声が聞こえてきた。
「紗良ちゃん、カルマ君、行くよー」
「置いてっちゃうよ〜! 早く早く!」
「あ、待って……!」
色々な事があった修学旅行だったけれど、きっと今日もかけがえのない思い出のひとつになるのだろう。
そう思いながら、紗良は皆の元へと駆け寄っていった。
修学旅行の時間 end
2016.01.31
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