01


今日は、2人目の転校生がやって来る日。
どんな人物がやって来るのだろうとドキドキしていると、その転校生はなんと後ろの壁を突き破って教室に入ってきた。

「俺は、勝った。この教室の壁より強いことが証明された。それだけでいい、それだけでいい……」

そう言って自分の席に座るイトナに対して『ドアから入れ!』と皆からツッコミが入った。
すごい転校生がやってきたなと、紗良は思った。

「ねぇ、イトナ君。ちょっと気になったんだけど……」

カルマがイトナに対して話しかける。

「今外から手ぶらで入ってきたよね。外どしゃ降りの雨なのに、なんでイトナ君一滴たりとも濡れてないの?」

(そう言われれば、確かに……)

皆が不思議そうにイトナの方へと視線を向ける。
イトナは席を立つと、カルマ方に歩み寄っていった。

「お前は多分このクラスで一番強い。けど安心しろ。俺より弱いから、俺はお前を殺さない」

イトナはそう言って、カルマの頭の上に手を置き、撫で始めた。

(カ、カルマ君の頭を撫でてる……!?)

紗良はカルマが怒りだしたりしないかとひやひやしながら見ていたが、やがてイトナはカルマの頭から手を離し、殺せんせーの方へと歩いて行った。
紗良はほっと息をつく。
イトナは殺せんせーを指差すと、こう告げた。

「俺が殺したいと思うのは、俺より強いかもしれない奴だけ。この教室では殺せんせー、あんただけだ」

「強い弱いとはケンカの事ですか、イトナ君? 力比べでは先生と同じ次元には立てませんよ」

「立てるさ。だって俺たち……血を分けた兄弟なんだから」

(えっ、兄弟……!?)

皆驚いたような表情を浮かべている。
殺せんせーも驚いた様子で言葉を詰まらせ、固まっていた。

「負けたほうが死亡な、兄さん。お前を殺して俺の強さを証明する。放課後、この教室で勝負だ」

そう言い残し、イトナは教室を後にした。

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