02


そして休み時間。

「イトナ君って、本当に殺せんせーの兄弟なのかな……?」

「んー、どう見ても兄弟には見えないけどね」

「だよね……」

紗良はふと、先ほどカルマがイトナに頭を撫でられていたことを思い出した。

(カルマ君の頭って、なんとなく撫でやすそうだよね……)

そしてぽつりとこう呟いた。

「私も、カルマ君の頭撫でてみたい……」

「はぁ!?」

紗良は思ったことをついそのまま口に出してしまったことを後悔して、慌てて謝った。

「ご、ごめんっ。嫌だよね……!」

少しの沈黙の後、カルマは「別に、紗良なら良いけど」と小さく呟いた。

「ほ、ほんとに?」

「ほら、俺の気が変わらない内に、撫でたいなら撫でれば」

「じゃあ……」

紗良は少し恐る恐るカルマの方へと手を伸ばし、カルマの頭をそっと撫でた。

「……」

カルマは少し恥ずかしいのか、視線を横に逸らしたまま黙っている。
大人しく頭を撫でられているカルマが可笑しくて、紗良はふふっと笑みをこぼした。

「カルマ君の髪、さらさらしてる。それに、前から思ってたけど、すごく綺麗な髪の色してるよね。綺麗な赤色」

その言葉を聞いて、カルマは紗良の方へ視線を戻し、なんとも言えないような表情を浮かべる。

「……さっきから何、俺のこと口説いてんの?」

「くどっ!? 口説いてないっ! ただ、思ったことを言っただけで……!」

紗良はカルマの頭の上から手を離し、両手をぶんぶんと振って否定した。

「ふーん。じゃ、そろそろ交代。今度は俺が紗良の頭を撫でる番ね」

「えっ」

いつのまにかカルマはいつもの悪戯っぽい笑みを浮かべていて、仕返しと言わんばかりに、紗良はカルマに頭を散々撫でられた。

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