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冬が来た。
季節が変わっても、学校生活は変わらない。
いつものように登校して、いつものように授業を受けて……そんな普段通りの日常が、今日も過ぎていくんだと思っていた。

だけど、変化が訪れるのはいつだって突然だ。


『潮田渚がE組行きになった』


悪いうわさが広まるのはあっという間で、渚の隣のクラスである紗良のクラスにも、その噂はすぐに伝わってきた。

「紗良、聞いた? 潮田君、E組行き決定したんだって」

「えっ……?」

突然クラスの友人からそんな話を聞かされ、紗良は自分の耳を疑った。

「渚君が、E組……?」

「そう、エンドのE組。紗良って潮田君と幼馴染だったよね? もう仲良くするのやめたほうが良いんじゃない?」

あまりに突然のことで、紗良は頭が真っ白になる。

「ありえないよねーE組なんて。絶対落ちたくないよ、あんな落ちこぼれクラス」

渚の事をを嘲るように言う友人の言葉も、どこか遠くから聞こえているような感じがして頭に入ってこない。

「紗良もそう思うでしょ?……ねぇ、ちょっと紗良、聞いてる?」

「……っ!」

紗良は居てもたっても居られなくなり、ガタンと席を立つと勢い良く教室を飛び出した。


この学校は成績が全てだ。成績の良い者は優遇され、悪い者は徹底的に差別される。
もしもE組に落ちれば、先生からも他の生徒からも見下されながら、環境の悪いぼろぼろの旧校舎で残りの学校生活を送らねばならない。
ほとんどの者は二度と本校舎に戻ってくることは出来ないという。
一度落ちれば……終わりだ。

(渚君がE組行きなんて、嘘だよね……!?)

真実を確かめるために、紗良は渚のいるD組の教室へと向かった。

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