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始まりの季節の、春。

E組での新たな学校生活を目前に控えたある日の事、紗良が家で食事を食べながら何気なくテレビを見ていると、突然映像が切り替わり、臨時ニュースが流れてきた。

『番組の途中ですが、臨時ニュースをお伝えします。つい先程月が爆発し、7割方蒸発しました……!』

余りにも衝撃的過ぎる内容に、紗良は手に持っていたお箸を落としそうになる。

(つ、月が爆発って、どういう事……!?)

テレビには爆発によって大きく抉れてしまった月の映像が映し出されていた。

紗良は一旦食事をやめて、窓に駆け寄り空を見上げた。
そこに浮かんでいたのは、綺麗な三日月。
昨日は満月だったので、本来であれば今日は三日月が見れるはずはない。

(本当に、爆発しちゃったんだ……)

月を見上げながら 、紗良はこれから何かが起こりそうな、不思議な予感を感じていた。





「紗良ちゃん、おはよう」

「おはよう、渚君」

今日はE組登校初日。
1人で行くのが不安だった紗良は、渚と待ち合わせて一緒に登校してもらうことにした。
旧校舎へと続く山道を2人で歩く。

「紗良ちゃんもE組に来るって聞いたときは、本当びっくりしたよ」

「あはは、そうだよね……」

紗良は苦笑いを返す。

「でも紗良ちゃんと同じクラスになれて、僕は嬉しいな」

「私もだよ。同じクラスになるの初めてだもんね」

「カルマ君は、まだしばらく停学なんだって?」

「うん……」

E組行きを告げられたあの日、カルマは職員室で暴れてしまったということもあり、停学処分を受けていた。
あの日以来、紗良は一度もカルマに会っていない。
春休み中、紗良と渚はカルマを遊びに誘ったが、都合が悪かったのか、それとも乗り気ではなかったのか断られてしまった。

「カルマ君、元気にしてるかなあ……」

そんな紗良の呟きは、周りの木々のざわめきに飲み込まれ、消えていった。

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