02


旧校舎に辿り着き、3−Eの教室の扉を開け中に入ると、緑色の髪をした女の子が声をかけてきた。

「あ、おはよう渚!」

「おはよう、茅野」

茅野、と呼ばれた女の子は紗良の方を見て不思議そうに首を傾ける。

「渚、その隣の子は誰?」

「あ、私、一瀬紗良って言います……!」

紗良は少し緊張しつつ、自己紹介をした。

「紗良ちゃんは僕の幼馴染で、今日からE組なんだ」

「そうなんだ。私、茅野カエデ。これからよろしくね、紗良ちゃん!」

そう言ってカエデはニコッと紗良に笑顔を向けた。

カエデの明るくフレンドリーな様子に、紗良の緊張も和らぐ。

「うん、よろしくね……!」

E組で友達が出来るか不安だったが、カエデとは仲良くなれそうだと思った。





「お、新しい女の子居るじゃん!!」

不意に聞こえてきた声に振り返ると、金髪の男子生徒が教室の扉の前にいた。
ちょうど今登校してきたようだ。
彼は机の上に鞄を置くと、すぐ紗良達の方へとやってくる。

「俺は前原陽斗! よろしくな!」

「えっと、一瀬紗良です。よろしくね……?」

「なぁなぁ、一瀬さんって、彼氏とかいんの?」

前原は身を乗り出すようにして紗良に質問を投げかける。

「えっ!? い、いないけど……」

いきなりそんな質問をされ、紗良は戸惑いつつも素直に答えた。

「へーまじ? じゃあ、好きなタイプは? 良かったら俺と付き合――」

「こら、前原! 初対面なのに失礼だろ!」

前原を制止したのは、黒髪の男の子。

「一瀬さんごめんな、前原が迷惑かけて。俺は磯貝悠馬。よろしく」

前原の勢いに少し圧倒されていた紗良だったが、磯貝の人の良さそうな落ち着いた雰囲気にほっと安心する。

「一応学級委員やってるから、分からないことあったら何でも聞いてな」

「うん。ありがとう磯貝君」

「おい磯貝! 自分だけ好感度上げてずるいぞ!」

そんな風に騒いでいると、キーンコーンカーンとチャイムが鳴り響いた。

←prev next→


目次に戻る

ALICE+