noise canceller
「あーねむー…」
眠い。マジ眠い。激眠い。
けどマヨナカテレビ見るって約束だしなー、忍耐だ俺…。
「もうすぐ零時だ、一緒にみよーなぁ」
擦り寄ってきたブルーアイの白い猫を抱き上げる、ごろごろと喉を鳴らす。
んー、猫は癒しだぜ。
―――本日、新しく配達されたテレビの。で、何で電源もつけないで睨めっこしているかというと話は昼間に戻る。
瀬多と花村が暑苦しい友情を結び、事件の謎を追うという約束を交わした。
何でか自然と面子に入ってたオレ。
で、里中に悪いことしたなー謝らないとなー、とかいってたら。
「そんなことより、雪子、まだ来てない?」
と、本人が第一声を叫んで登場。
旅館の方に電話をかけたら無事だったが、一応里中が明日迎えに行くそうだ。
で、試しにマヨナカテレビを見る流れになったワケだ。
アイツらいわく、前日はぼやけた画面に天城らしき影が不鮮明に見えただけのようだが。
「何事もないのが一番なんだがなぁ…」
カチ。カチ。カチ。
時計の針が零時に近づいていく、そして。
―――カチ。
ブン、と電源を入れてない画面に電気が走った。
Channel:04
「……あり?」
どうした?と問うかのようににゃうん、と時子さんが膝の上で鳴いた。
画面は映った、確かに映っている。
ただ、映ったのは。
『こんばんは〜!
えーっと、今回は私、天城雪子がナンパ!逆ナンに挑戦したいと思いまーす!
題して、“やらせナシ!突撃逆ナン!雪子姫、白馬の王子様探し!”
もう超本気ぃ!』
赤いドレスに身を包んだ同級生、天城雪子だった。
え、てか逆ナン?美人で真面目な優等生を地でいく天城が?逆ナン?
いや、真面目な話。セクシーポーズを取る天城とか、俺しらないんっすけど。
大丈夫か、俺の頭と視覚。
『もう私用のホストクラブをブッ建てるくらいの意気込みで…じゃあ行ってきまぁ〜す!』
マイクを持った天城はウキウキとした様子で、それこそスキンシップで駆けるかの如く、背景にあった西洋風の城の中に去っていった。
「…ホストクラブなんて言葉をどこで覚えたんだ……」
にゃー、とまた時子さんが鳴いた。
「…とりあえず寝る」
現実逃避ではない、決して。