十七歳、夏。 隣に立つ彼は無事肉体を取り戻した。欠損した部分はトリオン体で補い、左目には痛々しい眼帯を付けている。 もう睡眠をとれる。涙も流す。心臓の鼓動も聞こえる。汗もかく。温度も、痛みも、ちゃんと感じる。身長だってぐんぐん伸びて、もうとうに追い越されてしまった。 三門市。日常と隣合わせの非日常。普通を装う街の中で、私たちも、何もかもが上手くいっているかのような、そんなフリをして生きている。 十七歳、夏。 私たちの夏は、始まったばかりだ。