1








「……?
どこだ、ここ」




ふと、目を覚ます。
寝起きのせいでふわふわとする頭。
視界に飛び込む景色に首を傾げる。


見覚えのない部屋に、自分はいた。




「んー………」




ごしごしと目をこすり、軽く伸びをする。
ぼんやりとした頭で記憶を辿った。




「(確かジム抜けて…)」




トキワの森行って、ごろごろしてたら眠くなったから寝てたんだっけ。
乗ってきたピジョットを傍らに、イーブイ抱き締めて。
…あれ、イーブイどこだ。
確かに腕の中にいたんだけど。

その前に、ここはどこだ?
森に行った覚えはあるが、誰かの家に行った覚えはない。
どうやら自分はカーペットの上に転がっていたようだ。
ふわふわしてて触り心地がいい。




「──!」


『!!?
誰!?不審者!?』


「ち、ちが」




ガチャリと響いた音に驚く。
今いる部屋のドアが開いたのだ。
足音と共に、見知らぬ少女が姿を現した。

驚いたのはこちらだけではないようで、相手もかなり驚いた様子。
警戒心バリバリなのが丸分かりで、一定の距離を保ってきょろきょろしている。


完全にオレ、怪しい人だと思われてる。
状況がわからないのはオレもなのに。

変な人だと思われて追い出されても困る。
別に何もする気はないし、オレだって聞きたいことがある。
ここに来て一番最初に見た人物なのだから、何か知っているかもしれない。









<<prev  next>>
back