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「……?
どこだ、ここ」
ふと、目を覚ます。
寝起きのせいでふわふわとする頭。
視界に飛び込む景色に首を傾げる。
見覚えのない部屋に、自分はいた。
「んー………」
ごしごしと目をこすり、軽く伸びをする。
ぼんやりとした頭で記憶を辿った。
「(確かジム抜けて…)」
トキワの森行って、ごろごろしてたら眠くなったから寝てたんだっけ。
乗ってきたピジョットを傍らに、イーブイ抱き締めて。
…あれ、イーブイどこだ。
確かに腕の中にいたんだけど。
その前に、ここはどこだ?
森に行った覚えはあるが、誰かの家に行った覚えはない。
どうやら自分はカーペットの上に転がっていたようだ。
ふわふわしてて触り心地がいい。
「──!」
『!!?
誰!?不審者!?』
「ち、ちが」
ガチャリと響いた音に驚く。
今いる部屋のドアが開いたのだ。
足音と共に、見知らぬ少女が姿を現した。
驚いたのはこちらだけではないようで、相手もかなり驚いた様子。
警戒心バリバリなのが丸分かりで、一定の距離を保ってきょろきょろしている。
完全にオレ、怪しい人だと思われてる。
状況がわからないのはオレもなのに。
変な人だと思われて追い出されても困る。
別に何もする気はないし、オレだって聞きたいことがある。
ここに来て一番最初に見た人物なのだから、何か知っているかもしれない。
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