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――
『……』
眩しい光はいつだか感じたのと似ている。
ふと、そんなことを思った。
やけに長く感じた一週間が終わった。正確にいえばあと一日残っているのだけど、そんなことは割とどうでもいい。ぼんやりと周りを見渡す自分に気付いてはっとする、また彼を探していた。
それはもうやめなければと、昨日あの後決めたばかりで。
『トワイライトプリンセス、』
ガサガサ探し始めたのはそう書いてある一枚のディスク。
この一週間で何度も出し入れをしていたそれはそんなに手間なくこの手に捕まる。
取り出したのは見慣れた白いそれ。
これまた見慣れた白いゲーム機に突っ込めば機械音がして画面が切り替わった。
『……、やっぱり』
テレビに映し出されるタイトルロゴとオープニングのムービー。
あんなに何度やっても見ることができなかったのにあっさりと映されて面を喰らうも、なんとなく予想していた結果に零れたのはそんな言葉。
続いて映った彼の姿に、どうしようもなく視界が滲んだ。
『リンク、』
それでも泣かなかったのは、彼からの一通の手紙を読んだからだった。
――“これを読む頃には俺はもういないかな。
でも最後にひとつだけ、君に伝えたいことがある。
ここに来て思い出したことがある。
俺は小さい頃、怪我をしたときにある小さな町でお世話になった家があった。
その家にはその時の俺と同じくらいの女の子がいて、怪我が治るまでその子とはよく話したしよく遊んだんだ。
怪我が治って村に帰って、しばらくしてから改めてお礼を言いに行こうと思ってもう一回その子の家を訪ねた。
そうしたら、不思議なことにその家はなかった。そこでは知らない人が見たことない家に住んでた。
引っ越しか建て直しかと思ったけど、周辺の人にはその家は何年も前からその人たちが住んでると言われた。
結構昔のことだったから忘れてたけど…その女の子、今思い出してみると君にそっくりなんだ。
むしろ君そのままなんだ。名前、どこかで聞いたことあるなって思ってたんだ。
だからきっと俺はここに、君に会いに来たんだと思う。
まさかこんな世界にいるとは思わなかったけど、俺があの時会ったのは確かに君だった。それだけは確実だ。
でも俺には今、ハイラルを救うっていう大切な仕事があるから。
それが終わったらきっと、会いに来るから。
その時にまた直接伝えたいことがある。
それまで待っててくれたら、俺は嬉しいです。”
――今までありがとう。
その一文で終わっていたその手紙は一生大事にしようと心に決めた。
『…またいつか、』
きっと。
終わったと思っていた夢にまだ続きがあることを信じたい。
ゲームみたいな現実がまた来てくれると信じたい。
画面の中で走っているその人は、未来の勇者に成長する予定の青年。
あの日から止まっていた旅を再開する彼。
それを操る私が彼にとっての何なのかなんて、きっと今は考えなくてもいい。
非日常生活エンド
(続きは、また今度)
END.
Story is finish.
Thank you for reading!
→あとがき
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