天竺鹿撫1 - 1

 神様って人……人ではないか。ヤツは、すごく残酷で。

「私、トリオン量が少ないの。オペレーターに転向したほうがいいレベル。私の向いてること……銃手をやるには、かなり厳しい戦いを強いられると思う」

 幼少期に親に先立たれ、弟と二人で支えあいながら生きているって段階で気づくべきだったのかもしれないけど。最近になってその残酷さは身に染みて感じるようになっている。

「トリオン器官は、成長期を過ぎたら成長することはあまりない。身長と同じでね。今私は十九歳で、大学一年生。成人までは後一年もない」

 生きる、生かす。そのことを目的に漠然と生きてきたからか、夢も趣味も何もなくて。そんな中、趣味と実益を兼ねる素敵な場所に立っていられるようになったのに。持っているすべてを投げ捨ててここに立ったのに。

「成人までにトリオン器官に成長が見られなかったら……私がみんなの役に立つためにやりたいこと全部するためのトリオン量を補えないようなら。…………隊をやめて、オペレーターに転向する」

 生まれ持った能力ってやつで全部投げ捨てたくなっちゃうんだから、嫌になる。