02




 魔法の鏡を抜け、故郷の海の砂浜にやってきたフロイドは波に向かって一目散に走って行った。突然走り出したフロイドに対してアズールは怪訝な表情を浮かべ、ジェイドは面白そうにクツクツ笑う。

「おやおや。余程会いたかったようですね」
「『会いたい』? ……ああ、クマノミの彼ですか」
「……フフ」
「……なんだ、その意味深な笑みは」
「いいえ? なんでも御座いませんよ?」

 フロイドたちは魔法薬を飲むことで人間へと姿を変えている。人魚の姿に戻る為には魔法薬の効果を解く薬を飲まなければいけないが、フロイドはそんな基礎的なことも忘れて膝まで海水に浸かり、バシャバシャと音を立てながら歩いたところで、

「ッんでこんなに進まねーんだよ、可笑しいだろォ……!」

とがなった。本人は泳いでいるつもりなのだろうか。呆れたアズールが「薬を飲んでないからだろ」とため息を吐いた。ジェイドが「フロイドー、薬飲んでませんよ〜」と言うと、声を掛けられたフロイドは苛立ちながら振り返る。

「アア゛ッ……!?」
「まったく……」

 波と風の音でよく聞こえなかったらしい。アズールは懐から薬を取り出しながら近づいて行き、ジェイドは嫌味な笑みを浮かべたままその後に続く。双子の片割れの表情を見たフロイドは青筋を立てた。ジェイドは噛みつかれては堪らないと思い、銃を突き付けられた相手がするように両手を胸の高さまで上げた。

「だから、薬。解除薬を飲んでないんです」
「そのまま入れば凍死するか溺死するぞ」
「チッ……早く寄越せよ」
「……ホー。それが人に物を頼む態度ですかぁ?」
「フロイド。欲しいなら、それ相応の対価を払わなければ」
「ダァー、もうッ! ウゼってぇーなァ!!」

 フロイドがどれだけ喚き散らしても、相手はいつも一緒に小魚共に取り立てをしている仲間だ。一筋縄ではいかない。フロイドは浅瀬で地団駄をすると、またバシャバシャと音を立てながらアズールに近寄った。フン、と鼻を鳴らし、

「ちょーだい」

と悪びれもなく言う。アズールは見せびらかすように薬瓶を揺らした。

「もっと取引先に言うみたいに」
「ハア゛?」
「ほらほら、フロイド。落ち着いて。じゃないと愛するクマノミさんに会えませんよ?」
「愛するとかねーから」
「じゃあ会えなくて良いんですね?」
「会える会えないじゃねーんだよ、生存確認すんの!」
「会わないと生存確認はできないでしょう」
「ッ……ン゛ーーーー!!」

 アズールは「ほれほれ〜」と薬瓶を掲げた。アズールの身長は低いわけではないが、人型のフロイドとジェイドにとっては掲げたところで、そう大した高さにはならない。フロイドはひょい、と薬を取り上げると解除薬をあっさり飲み干した。

「あっ、お前ッ……」
「あはっ。アズールってけっこーアホだよね」

 フロイドはしてやったりな笑みを浮かべてアズールを見下ろした。アズールはぐぬぬ、と拳を握ったが、くだらない争いだと思ったのだろう。すぐさま自分とジェイドの分の解除薬を取り出して、既に人魚の姿に戻っているフロイドに続いた。

 フロイドは一足先に泳いでから振り返り、二人に向かって「行くとこあるから。ついてこないで」と言い放った。二人の返事を待たずに素早く泳いで行ってしまう。残されたアズールとジェイドは顔を見合わせてニイ、と嗤う。

「温いですねぇ」
「ええ、熱帯の海のように温いです」
「いつからフロイドは詰めが甘くなったんでしょう」
「そんな面白そうなことを言われて、僕たちがついてこないと思ったんですかねぇ! 駄目じゃあないですか、着いてきて欲しくないならそれなりの説明と、それなりの支払いをしなくては……アイツの弱みになりそうだ、上手く行けば手綱をきっちり握れるかもしれない。これはチャンス!」

 アズールは両腕だけでなく足──タコにとっては全て腕のようなものだが──までガッツポーズをすると、目を爛々と輝かせてジェイドを振り返る。

「ジェイド、追いますよ。後をつけます」
「ええ。アズールがその気にならなくても、僕ははじめからそのつもりでした」

 オクタヴィネルの主催者トリオはとても仲良しなのだ。
 フロイドに気づかれないよう、静かに後を追う。姿を見失わないように注意しながら、時折岩陰に隠れながら、アズールとジェイドは確実に距離を縮めていった。

「こんなに面白いならもっと早くに彼の情報を寄越せばよかったものを」
「すみません、準備に時間がかかってしまったもので」
「……準備?」
「──ええ、それはもう、入念に。とっても素敵なサプライズをご用意致しました」

 ジェイドはギザギザの歯を見せつけるようにして嗤った。

***

 海の温度が変わって行く。フロイドは鋭い爪の生えた手のひらでそれを感じ取っていた。
 フロイドたちの故郷は北の冷たい海だ。対してナマエは鮮やかな鰭を見ればわかるように、熱帯の海の出身。ミドル・スクールはそれぞれの中間点に位置していた。二人──ジェイドが居るときは三人だ──で遊ぶときはスクールの周りにするようにしていた。フロイドは生温い温度の海を我慢してナマエに会いに行ったこともある。

 ナマエの家の付近まで来たフロイドは、淡い色のイソギンチャクを探した。クマノミが集団生活をするように、クマノミの人魚も同じ生活スタイルで暮らしている。フロイドはナマエではないクマノミの人魚がイソギンチャク帰っていく姿を見て、彼らの皮膚が特別であることを思い出していた。フロイドが無理に入ろうとすれば、イソギンチャクの毒にやられてしまう。そうすればナマエはまた仕方がなさそうに塗り薬を塗ってくれるだろうか。

 フロイドは早いところ顔を見なければ落ち着けない、とぐるぐる辺りを泳いだ。似たようなイソギンチャクが集結しているようで、フロイドは何処がナマエの家だったか頭を悩ませていた。

 ふと、一つのイソギンチャクの足元に瓶の蓋が落ちているのに気が付いた。ナマエがよく好んで集めていて、家の周りに飾り付けていたことを思い出す。フロイドはすぐさま泳いでいき、触手が揺れて鰭に触れそうになって慌てて身を引いた。

「……ナマエ? いる?」

 フロイドの第一声は小さなものだった。フロイドがアカイカ先生と呼ぶ教授の部屋に入る前のサバナクローの寮生も、こんな姿になっていることがある。

 しん、としている。フロイドは嫌な予感がして、息を飲んだ。

「ナマエ……? ナマエっ?! ねぇ、いるっ? 出かけてるだけッ?!」

 どれだけフロイドが怒鳴っても、イソギンチャクの中から優しげな声は聞こえてこない。
 フロイドは耐え切れなくなって、中に入って確認しようと触手に手を伸ばした。バチッ、と痛みが与えられるが、フロイドは突っ切ることにした。

「グ、ゥ、う……ッ! くっそ……! あ゛〜〜〜〜、いっでぇなァ〜〜〜〜〜〜ッ!?」
「……うわ、ちょっと?! 何してんの、フロイド!」
「うおっ?!」

 グン、と尾鰭を引かれたフロイドはバチバチッ、とイソギンチャクに刺されながらズボッと触手の群れを抜け出した。海底に捨てられたフロイドが顔を上げると、オレンジ色の鰭を靡かせた、美しい──、

「……ナマエ?」
「も〜、だからさ、イソギンチャクには毒があるって言ったじゃん。待ってて、薬持ってくるから」
「あ、うん……」

 フロイドは茫然と見送る。フロイドの見間違いでなければ、イソギンチャクの中の入って行ったオレンジ色の人魚は、フロイドの知っている姿ではなくなっていた。

 フロイドが陸に上がる前までは短かった髪が伸びていた。尾鰭も大きくなっていて、華やかに揺らめいている。そして一番違ったのが、

「ナマエ……」
「なに?」
「それ、なに」
「それって?」
「胸に……え? 胸鰭増えた?」
「違うよ、乳房」
「ち……なん、で?」

そう、胸元だった。ナマエの胸はフロイドの知っている平たいものではなくなって、膨らみを持っていた。そしてそれは貝殻に覆われている。
 ナマエは優雅に泳いで、薬を塗ろうとフロイドの近くに降りた。フロイドはあんぐりと口を開けて後退る。

「体、で、でかく、なった?」
「ちょっとだけね。それでもウツボの方が大きいと思うよ」
「……な、なんで雌になってんの?!」

 フロイドの叫びに、ナマエは「何を言ってるんだ」と眉を顰めて、薬瓶の蓋を開けた。指でたっぷりすくって、フロイドの皮膚に伸ばしていく。フロイドは落ち着かない様子でナマエの胸元を見たり髪を見たりしている。

「性転換する魚なんて山ほどいるじゃん。クマノミもそうだよ、だから人魚の僕も同じで雌になったってだけ」
「……ぇ、性転換? いつ? なんで?」
「そりゃ、群れの中に雌が居なくなったからだよ。クマノミは一番大きいのが雌、二番目に大きいのが雄になるんだ。雌が居なくなったら、雄が雌になる。それ以外のクマノミに性別はないんだよ」
「……じゃあ、今までのナマエは、雄じゃねーの?」
「そうだよ。フロイドは雄の僕を見たことがないってこと」
「……お前のパートナー、死んだの?」

 ナマエが雌に成っているということは、その前に雄に成っていて、パートナーの雌が居たということだ。フロイドが尋ねると、ナマエはちらっとフロイドを見上げてからすぐに逸らし、薬瓶の蓋を閉める。

「死んだのかわかんない、消えちゃったんだ。帰ってきたら、居なかった」
「なんだよ、それ」
「わかんないんだって。仕方ないでしょ」

 ナマエは掴みかかってくるフロイドを躱してイソギンチャクの中に戻ろうとする。フロイドが「待てよ」と手首を掴んで引き留めた。

「もう、薬戻したいんだけど」
「……お前の雄は?」
「え?」
「雄が居るんだろ、番。雌になったってことはそういうことでしょ?」

 ギリ、と手首に力が籠められる。ナマエは顔を顰めて「放して」と言うが、フロイドは「答えろ」と言って放さない。ナマエはため息を吐いて諦めたように口を開いた。

「いないよ」
「嘘」
「ほんとだって」

 ナマエは腕を振ってフロイドから逃れようとする。フロイドは明確な答えを得られるまで放すつもりはないらしい。グッ、と静止させられたナマエは舌打ちをする。

「まじで。いないんだって」
「んなわけねーだろ。お前が雌になったなら、雄になったヤツがいるんだろ?」
「だからっ……!」

 ナマエは反対の手でフロイドを打とうとしてハッとした。フロイドは眉を顰め、唇を噛んでナマエに懇願するような表情をしていた。
 ナマエは脱力して、揺らめく髪を耳にかけた。

「本当に、居ないんだ」
「……なんで?」
「……わからない。僕以外のグループの連中……だからまあ、つまり、家族なんだけど、全員消えた」
「…………は?」
「グループの雄は居ないから、僕は別のグループに入れてもらうしかないかな……浮気して追い出されたばかりの余所の雄っていう候補もあるかも」
「それはやめろ。絶対」
「う、うん。わかった……?」

 フロイドはナマエを解放した。ナマエは「じゃあ、薬、戻してくるね」とフロイドを気にしながらイソギンチャクの中へと引っ込んで行った。フロイドはイソギンチャクに触れるか触れないか寸前のところまで泳いでいき、ナマエが出てくるのを待った。
 触手を掻き分けて出てきたナマエは、目の前に急に現れたフロイドの顔面に「うわっ」と身を引いた。ナマエは腕を突き出して、フロイドの肩を押すようにして家から出た。

「な、なんだよ。また刺されたかったの?」
「……ちげーし」
「……なんかフロイド変じゃない?」
「は? 何でだよ」
「何でって、変なもんは変だよ。……あ、わかったぁ。女の子の僕を見てタジタジになっちゃってるんでしょ〜」

 ニヤニヤしながらからかったナマエは、いつものようにフロイドが素っ気なく否定するのだろうと思っていた。
 しかしフロイドは黙りこくったまま。

「え、なんで否定しないの?」
「……否定しないってことはそういうことだろ」
「……あ、あー。……そう? そっ、か。うん」

 青緑色の肌を桃色に染めたフロイドに見つめられたナマエの方がタジタジに話すことになった。
 フロイドは優しくナマエの手に触れた。先程の力任せな行為によって痛めつけられた手首に触れないように、労わるようにして握り、すぐ傍の岩場まで導いた。二人は腰を下ろし、静かに遠くを見つめる。

「今日はどうしたの」
「どうしたって、カレッジが休みに入ったから」
「あ、そっか。もうそんな時期……」

 フロイドが陸に上がってから、既に一年以上の歳月が流れていた。
 フロイドは現在アズールたちと一緒に、アズールが次期寮長になる為の準備をしている。着々と契約を結び、イソギンチャクを生やした下僕たちを集めていた。

「……ねぇ」
「なに?」

 フロイドが呟くようにして切り出す。

「オレさ、ちゃんと見て来たよ、人間の世界。陸の世界。やっぱり、海より数倍安全だった」
「……そうなんだ」
「オレ、人間の恰好になったら結構デカいんだぜ? オレを見ただけでチビったヤツもいるし、誰にも負けたことなんてない」
「そっか」
「海でもさ、チョウザメと──」

 ナマエは「自慢話をしにきたのか?」と疑問に思いながら尾鰭を揺らした。雌になったせいか、尾鰭はより一層華やかになった。
 フロイドは自分が強いということをナマエに伝え、アプローチをしていた。ナマエが興味が無さそうに相槌を打っていることに気づいたフロイドは、ぐっと唇を噛んで、ナマエの手に触れる。

「オレと、一緒に来てよ」
「……フロイド、ずっと陸に居るつもりなんだ」
「そうじゃねーけど、オレ、お前のこと、さ……」
「……なに?」

 口を結んで次の言葉を発しないフロイドに、ナマエは問いかける。
 フロイドはナマエの手のひらをきゅっと握って指を絡ませた。

「……オレは、お前のこと守れるよ」
「は?」
「アズールと契約して、ずっとこき使われることになっても良い。そしたらアズールだってナマエを守るために協力してくれる。オレ、ずっと、ナマエのこと好きだったから。此処に居たら、ナマエだって家族みたいになるかもしんないじゃんッ」

 忽然と姿を消した家族のことを、ナマエは思い出した。
 ある日突然、神隠しにでもあったのではないかと思うくらいに、笛吹男が来て集団誘拐事件を起こしたのではないかと思うくらいに、綺麗さっぱり。跡形もなく。大魚に襲われた形跡もなかった。
 家族を失ったナマエの体は急激に成長し、雄の体になったかと思えば、雌の体へと変化を遂げた。パートナーの居ない雌になったナマエは、孤独に日々を過ごしていた。

「頼むよ……他の雄と、番になんてならないで。探さないで」

 フロイドの目から雫が溢れ、海面に浮上していった。
 ナマエはその様を茫然と見上げる。

「……クマノミとウツボじゃ、そういう関係にはなれないと思うんだけど」
「なれるよ。人間になれば」
「……僕が人間に?」
「陸に上がるってそういうことだよ? 尾鰭のまんまじゃあ遠くまで行けないもん。脚が要る」

 フロイドがナマエの尾鰭を指さした。ナマエは自分の尾鰭が、人間の脚になっているのを想像する。

「歩いたり走ったりするとさ、意外と気持ち良いんだぜ。干からびそうなくらい眩しい日もあるけど、太陽の光って、海とは違ってさ、ぽかぽかすんの」
「……フロイド、陸が好きなんだ」
「ジェイドほどじゃないけどね、まあまあ好きだよ。オレね、靴集めるのにハマってるんだ」
「……クツって、なんだっけ」
「人間が足につけるヤツだよ」
「なんでつけるの?」
「……お洒落だからじゃない?」
「そんな理由?」
「こっちだって雌が髪飾りだか胸当てできゃーきゃー言ってんじゃん」

 ナマエは「そんなもんか」と思った。フロイドが頬を膨らませているのを見て、くすっと笑う。

「他には?」
「何が?」
「陸にあるもの」
「あ〜……ジェイドが、キノコとかテラなんとかってのにハマってるけど」
「キノコ?」
「陸の山とか木に生えてる……こっちで言うイソギンチャクとかサンゴみたいなもんじゃない? よく知らね」
「陸のイソギンチャク……」

 ナマエは近くにある自分の家を見て、陸にあったらどうなるのだろう、と考えてみた。そこで、今話題に上がった人魚の名前に「そういえば」と辺りを見渡した。

「そのジェイドは?」
「一緒に来てるよ」
「別行動してんだ」
「ん」
「……そう」

 素っ気なく返すフロイドを見て、ナマエは「機嫌が悪くなったな」と察知した。気まぐれな彼に振り回されつつ振り回して来たナマエは慣れた様子で話題を変えた。

「……じゃ、お試しで行こうかな」
「…………え、陸?」
「うん」
「まじ?」
「はは。うん」
「い、いつ行く? 今から?」
「フロイドは帰って来たばかりでしょ、ゆっくりしなよ。それに、いきなり行って大丈夫なもん? あの例の学校に行かなきゃじゃない? 色々準備もしなきゃだし……」

 ナマエは今こそ一人で家に住んでいるが、陸につてはない。陸の生活に慣れ、住処を用意しなければならないだろう。ナマエは「フロイドの言うとおり、お友達のアズールってタコに頼むしかないのかな」と思い、フロイドに尋ねる。

「アズールくんも来てるんだよね? じゃあ、お願いしてこようかな」
「え、ちょっと待って。何? アズールと契約するつもり?」

 フロイドは岩場から腰を上げたナマエを追いかける。ナマエはよく知らないが、アズールは契約に無理難題な対価を支払わせる。フロイドは彼の手助けをしてきたから、それを恐ろしいくらいに知っていた。

「いや、オレが契約するから」
「守ってもらう云々ってヤツなら気にしなくて良いよ、僕も自分の身くらい何とかするし、……フロイドが守ってくれるんでしょ?」
「う、…………うん」

 いじらしく自分を見つめてきたナマエに、フロイドは頬を染めた。

「それより、家を何とかしないとさ」
「家……?」
「僕は陸に居場所が無いだろ? フロイドみたいにカレッジに入学許可を貰ってないから」
「……別に良いじゃん。オレと暮らせば」
「はあ? 寮に来いって?」
「ばれねーって。アズールが何とかしてくれる」

 ナマエは横暴なフロイドにため息をついて手招きをした。フロイドは嬉しそうにしてシュバッとナマエに近寄ってくっついた。ナマエは「泳ぎにくい」と突っぱねる。

 アズールに会おうと思ったナマエは、フロイドに彼の居場所へと案内するように言った。フロイドは気が進まなかったが、ナマエに尾鰭を叩かれて言われるがままにアズールを探すことにした。




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