9.この世界は残酷である
母の口からでた驚きの真実に驚きを隠せない。
「ママ、それ本当なの・・・?」
グラスを持つ私の手が震える。
「えぇ、ママも驚いたわぁ!私の生まれた島は世界から隔離されていたから知らなかったの、そんなに凄い人だったなんてぇ〜。でも、あの島のおかげよ、貴方を守れたのは」
私を、守る・・・?
「ナマエ、あのヒトは海賊よぉ。人から恨まれる事なんて、当たり前・・・。そんな彼に娘がいる事を誰かに知られたら・・・」
「ッ・・・」
母は、大丈夫よと言う様に震える私の手を握った。
「ふふ、あのヒトはそれを理解した上で私を選んだのよぉ。私のいた島は外の世界から隔離されている。この島にいる限りは、彼の恨みを私たちが買う事もない・・・本当に賢くて優しい人。
でも、ママは島を飛び出してきちゃったから、
それはきっと彼も計算外よねぇ〜!」
ふふっと悪戯っ子のように笑う母に手の震えが止まった。しかし、そう考えてくれた父はきっと母の言うとおり優しいのかもしれない。
「ママは、