「ただいまってばなまえ姉!」


大袈裟に音をたて無邪気に駆けるナルトの帰宅になまえは顔を綻ばせた。ミナトが忙しなく視線を彷徨わせてるのを見て内心落ち着けと思うが、ルークに<<人のこと言えないでしょう。>>と言われ明後日の方向を向く。

「おかえり、ナルト。」
「おう!ただいまっ!」

なまえが彼の髪を撫でつけると気持ち良さそうに目を細める。そのときナルトはもうひとりの存在に気が付く。
ちなみに三代目はもう帰宅済みだ。仕事が溜まっているらしい。なまえの代わりに任務に着くことになったカカシも、自身の先生が目を覚ましたのに任務に当てられるとはなんとも惨い。

チラチラとナルトはミナトをうかがう。

「えっと、お客さんってば?」
「………」

ナルトの問いにミナト肩を落とし、なまえは首を振り、ウルスラグナは口元に手を当てて沈黙した。もちろんウルスラグナのそれは笑いを堪えてである。ふっさりとした耳がピョコリと動いているのがわかった。

「ナ、ナルト…、この方は…」
「あ、いいんだウルスラグナ。俺が説明するよ」
「………?」

首を傾げるナルトにミナトは目線を合わせてしゃがみ込む。ムムッとナルトは両手で構えを取る。ああ、阿呆可愛い。思わずなまえの顔が緩む。

「姉ちゃんの何だってばオメー!」

やらねーぞ!!と意気込むナルトに、ミナトはなまえを羨ましく思う。

「俺は波風ミナト。なまえの、兄だよ。そしてナルト、お前の父親だ」

構えたまま口をポカンと開いて固まったナルト。え?え?っとウルスラグナとなまえに困惑した顔を向けミナトを指差した。

「事実だ、なまえ様の兄上でお前の父親だナルト」

人に指差すなって教えてあるのにな、と思いながらなまえも頷いた。ピシリと固まったナルトの背をなまえが押す。

「ナルトのお父さんはね、私たちの場所を、死ぬ気で守ってくれた凄い人だよ。」
「ほん…とに…とーちゃ、ん?」
「うん。大きくなったね、ナルト」

感動の再会だ。
私も思わず胸が熱くなってきた。
なまえと魔力でリンクしているウルスラグナも涙を堪えて、俗に言うイケメン顏が台無しになっていた。忙しなく動く尻尾を見たが黙殺し、親子を見守った。

「なまえ姉ちゃんの恋人じゃ、なくて?」
「へ?いや、だからなまえは妹…」
「…姉ちゃん取らないってば?」
「う、うん」

んん?なまえは会話の内容に首を傾げる。なんか雲行き怪しくなってね?兄も感じ取ったのかナルトを一度抱きしめ離した。



「ごめんね、ずっと眠ってたんだ。ナルトのお母さんもね、まだ…」
「ね、寝てたって…」
「うん。術の反動でね」
「ずっと、死んじゃったって思ってたってば…」
「いつ目覚めるかわからなかったんだ、知っていたのは、なまえと、ウルスラグナと、三代目火影様だけ」


よくよく考えると物心着いたときから両親は居ないのだ。そして物心着いたときにはなまえの影分身やウルが側にいた。けれど、親代わりにはなれない。だってなまえやウルは本当の両親じゃないのだから。

「父ちゃん、父ちゃんあのな!オレ、オレ、姉ちゃん守るためにスッゲー強くなったんだってば!いっぱい、いっぱい話したいこと、沢山あるんだってば!」
「そうなんだ、すごいね!うん、しばらくお休みもらってあるからたくさん話そう?」
「ほんとか!?あのな!姉ちゃんやウルに教わってーーーー………」


なまえはそんな光景を見ながら目を細めた。これが私が見たかった光景だ。いまはまだ、クシナさんが居ないけれど一歩大きく前進した。その事実に思わず笑みを零す。