SSSランクの魔導師、そんな大層な肩書きを持っている割に私は結構気楽だった。そりゃあ機動6課に招かれたりしたが教導官がメインで、前戦に出るなんて稀だった。

魔導師だとわかった時以来、鍛えれば鍛えるだけあがるこの魔力についても重宝していた。なんていうか、ありがたいなぁ、的な感じで。特に深い意味とか考えていなかった。

一番苦労したのは魔方陣の構築だろうか、デバイスのラディアルークが組んでくれていたから気にしなかったが管理局にはいることになってよくわからない理数系の悪魔たちと戦うこととなった。頭良いわけじゃないんだよむしろ真ん中より下だよ成績なんて。と中学、高校時代苦労した事を思い返す。そんなことよりも、ゲームや漫画みたい。そんな欲求を忙しいながらにコントロールしてくれたのが今の旦那さんであるクロノ・ハラオウンさんだ。優秀な彼や当時のアースラメンバーには大変お世話になりました。あれかな、クロノくんってばダメな子ほど可愛いってやつなのかな。それならダメな子万歳。ぐったりと机に額をつけ身悶えていると頭上から声がかかった。

「なまえちゃん大丈夫?最近忙しいんじゃない?」

「あー、まあ、はい。」

ぐてんと失礼ながらその体制のまま答えると「うわぁ、ちょっと有給とったほうがいいんじゃない?まだ若いんだから遊びたいでしょ」

いやまあ、遊びたいっていうか、寝どおしたいというか、ゲームしたいなぁ。有給とって新作でもやろうかなどうしよう。なのは新しいのを持ってないかな。ぼんやり考えていたら先ほどの人はいなくなっていた。気を使って頂いたようだ。ありがたい。

「なまえさーん!」

またきた、とへばりつくかのようだった姿勢を当たり障りない程度に起こせば、可愛い可愛い甥っ子たちである。

「エリオ!キャロ!」

久振りだね、元気にしてた?と笑かければ元気にはい!っと返事をする。うんうん、素直でかわいい良い子たちだ。フェイトに育児について今度相談でもしてみよう。どうして仕事と両立できるんだろうか。

「なまえさん、お疲れですか?」
「休憩中ごめんなさい、私たちなまえさんに指導してもらいたくて」

ふたりがこちらを伺うように勢いを落としこれから時間はあるかと、聞かれる。

「ん?うん、疲れてたけどふたりみたら吹き飛んじゃったよー。いいよ、何番の訓練室?」

わあ!と喜ぶ彼らを見てああ、可愛いと癒され今日も残り半日頑張ります。とのほほんとそうおもう。

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ノーと言いたいけど言えない日本人
ノーという選択肢が存在しない相手
人間って結局感情の赴くままだと思う