「ねーちゃ!」

可愛く可愛く私を姉と呼ぶのは3歳になったナルト。今年度私はアカデミーを卒業して下忍となった。まあイタチは早々と一年前に卒業していきましたけれどもね。下忍としての任務に着くうち、Cランク任務を受けることも増えてきた今日この頃、久々に我が家に顔を見せることとなる。ああ、やっと帰れる。

「ナルトー」

私は顔を緩めて手を広げて駆け寄るナルトを待つ。すっかり伸びた髪は兄さんににてとても綺麗な金髪だった。

「ねーちゃん!」

「ただいまー、ナルト!いい子にしてた?」

「ん!ナルいいこ!うるとおるすばんしてたってば!」

「はい、ナルトはいい子にしてましたよ」

ぐりぐりとナルトの頭を撫でていたらウルスラグナが姿を現しナルトに目線を合わせて笑いかけた。

「うるー!」
「はいはい、なまえお姉さんが帰ってきましたよ、おかえりなさいは?」
「おかえり!」
「ただいまー」

可愛いナルトをぎゅー、と抱きしめればきゃー!と笑うナルトに顔がデレデレと緩む。

「ウルもお疲れ、ナルトの面倒ありがとね」
「いいえ、今回は特に何事もなく平穏に過ごせましたから」
「そか、よかった。」

懸念していた通り、九尾事件が起こったあとから人中力であるナルトを恨み奇襲をかける輩が年々増えてくる現状に頭痛を覚える今日この頃だ。ウルスラグナにナルトを少しずつ鍛えてもらうようにしているが、芳しくないようだった。

「ねーちゃん、しゅぎょーつけてくんないってば?」
「なまえお姉さんは帰ってきたばかりでしょうナルト」
「ん?いいよ別に。ナルトは修業したいの?」
「ん!」
「ビシビシいっちゃうよ?」
「だいじょぶ!」
「よーし、ならやろうか!」

「はーい!

元気に返事をするナルトは素直に純粋に育っていて大変喜ばしい。今のナルトが成長すれば落ちこぼれなんて呼ばれないだろう。
もう少し大きくなったら影分身の術でも教えてみるかな、と頭の中で会議を行う。

なぜか教えてとせがまれる、私の"偽りの刃(フェイクナイフ)"は口寄せということにしているが念能力なので、いくら教えてと言われても教えることはできない。

そのためナルトのチャクラを活かす術の方を幼いうちから教えておこう。まあとりあえず最初は基礎をみっちりだけどね。

「でもナルト、まず、お家に帰ったらー?」
「ごはーん!」
「せいかーい!」
「二人とも、まずはお風呂に入ってくださいね」
「「えー」」

ウルの呆れを含んだ顔に私とナルトは楽しげにケラケラと笑った。