ドンっと大きな音がし視線を彼等に戻すとモノクマを掴み上げていた大和田が映った。
「キャー、学園長への暴力は校則違反だよ〜ッ?!」
モノクマが手をばたつかせて悲鳴のような警告を行う。それに大和田が構わず「ここから出せぇ!じゃなきゃ力づくでもォ!」と怒鳴り返した。
その時
ピコーンピコーンピコーンとどこからか音が聞こえた。どこかなんて一箇所しか無い。どこか大人しくなったモノクマからだ。
だんだん早くなるその音になまえは叫ぶ
「それを投げて!はやく!」
「危ない!投げて!」
それは霧切さんと重なり頭に血が昇っている大和田が戸惑ったように疑問符をあげる。
「は?」
「いいから早く!」
霧切さんに気圧されたのか大和田は怯んで言われたとおりモノクマを放り投げた、瞬間あたりは爆風に覆われた。こっれはまた…
大和田が絶句したのは一瞬
「洒落になってねーぞ、爆発したぞ!?」と今起きたことに動揺が滲み出ていた。
苗木が顔をしかめ耳を覆っている。どうやら爆発音を聞き鼓膜の震えがとまらないんだろう。火薬の匂いも充満している。
大和田は再び現れたモノクマに向かって叫ぶ。
「オイッいまマジで殺そうとしただろ!」
特に気にした様子も無いモノクマはことも無げにケロリとあたりまえじゃん。といった。
「学園長への暴力は校則違反だからね!今回は特別に警告だけにしておいてあげるよ!」
この場合自称学園長も学園長に含まれるようだ。しかし全くここの人間は心得ているな。思わず感心してしまった。実際に危険になることで上下関係を見せつけた。事実この瞬間何人かは逆らうことを放棄した様子だ。
恐らく私の記憶が正しければ3日後動機が、提示されるはず。
この世界で私の1番大切なものはこの腕にある。他に大切なものはもう世界が違う。恐らくどんなことが起きても動揺は少ないだろう。
視界に苗木と舞園の姿が映る。そうか、家族や友人という懸念もあるのか。別名究極ボッチであるがひとりも友達がいないわけでは無い。
家族が狙われていたら確かにダメージを受ける。だけど、入学したのは(記憶がないが)二年も前なのだ。恐らくこの手の混んだ準備の段階で今更慌ててもどうにもならない。確実に手を打たれているはずだ。
私も何もできなかったわけじゃないだろう。
実際に行った手段を思い返す。私が渡した念をこめた護身札と敷地内に施した魔法陣。これが破れることはないだろうが、絶対なんてものは存在しない。
探索してみようという彼等の行動に意識を戻し動き始めた。いや、まあわかっていたけど当然のひとり(ぼっち)である。
主人公である苗木くんは大和田くんに殴られ意識を失ってしまった。彼には大神さんが彼の部屋まで運ぶということで話は落ち着いた。7時を目処に再度集まることを決め結局ばらけた方が効率がいいということで、それぞれ探索してあとで結果報告ということらしい。
じゃあ私はカメラの位置でも確認しに行きますか。もし、カメラの範囲内でやらかしたら…いや、やめておこう。そう考えると、自分は確実にヘマしそうで怖い。カメラってほんとやだ。神経すり減らしてしまう。
どうやら私の記憶というか想像込みで、この状況は悪趣味にも放送されているらしいので。…….生放送なのかな?とにかく助けがこないことはわかり切っている。
大和田が主人公と関わって行くことで世界一の大工を目指すようになること。桑田はしばらく野球から離れたことで実は野球が好きだったことに気がつくなど心温まる内容もあるのだ。
そのため、苗木くんには頑張ってみんなと交流して貰わなければ。
机をみたり監視カメラを探していたら何故かモノクマコインばかりが手元にたまる。ポケットに入っていたハンカチを巾着代わりにつかい簡易小銭いれにする。
購買が解放されたら早速使おう。
ポケットに戻して次の場所へ、一通り監視カメラを確認し、そのまま食堂へと向かう。
監視カメラを危惧していたがまあ自室位には幻術でもかけておこうか。本当は結界を張れるのが一番いいんだけど…魔法陣が映るのは得策じゃないもんなー。
こういうとき、他の子と同じ条件じゃないのは申し訳ないとは思う。だけど使えるものがあるのに、どこもかしこも監視なんてのは流石に……無理だ。うん無理。やっぱプライベートは大切だよね。そうじゃなくても私なんてばれたらアウトなことが盛り沢山だ。うん、やっぱり自室に幻術かけてそこで魔法陣を展開するか。防音が完璧なら問題ないだろう。そのあと結界張ればいいかなー。結界魔法あんまり得意じゃないんだけど。空間遮断はありがたいし、まあ、前の世界で幾分鍛えられたけど…
食堂の扉は開いていた。どうやら苗木くんと舞園さんふたりが揃っていたようだ。
そのまま足を一歩進めそのまま壁際に寄る。
同時に扉を開く人物が現れた。
「やあ!舞園クンと苗木クン君達が一番乗りのようだね」
くっやるな!次は負けない!と謎の闘志を燃やしている彼に苦笑しそろそろ時間になるな。食堂の時計を盗み見れば時間は7時をさしていた。石丸によって閉められていた扉は再び開かれた。扉に視線を送ればその人物はジロリと室内を睨みつけカツカツと誰もいないテーブルについた。
十神が現れた途端室内は静かになる。
流石十神様ですねクスリと笑えば静かな部屋によく響いた。十神がこちらを見る先に次の来訪者によりそれは阻止された。
「よォ、待たせたな」
「遅くなってごめんなさい」
大和田と不二咲だった。まあ特に時間も7時厳守というわけではないし。気にすることはないと思う。
まあ10分もしたら霧切さんを除いて揃っていた。石丸が先導をきりし始めたその場はなんともまあ混乱に混乱を重ねた会議になりそうであった。超高校級の風紀委員大丈夫なのかな。まとめ役もあったと思うんだけど。江ノ島ちゃんがちょっといい?と声をあげればその3倍の声量で石丸が返し彼女は頬を引きつらせ続けた。
「えーと、なんていったけ、銀髪の…霧切響子、だっけ?あの子まだ来てないけど」
「それとみょうじさんも…」
不二咲さんの言葉に目を瞬く。そうか、気づかれていなかったか。
「ご、ごめん、私はいるよ。」
気配を表し軽く手をあげひらひらと振りながら声をあげる。驚いた顔をされたがこれは…まあ仕方が無い。江ノ島ちゃんからの視線が痛いけど。
今度は舞園さんと苗木くんを中心に状況の説明を進めて行った。セレスさんや腐川さんたちが体育館にずっといたことについては驚いたが、食糧は毎日自動で追加されるという点で飢えの心配はなくなった。
ちょうど全員の話を聞き終え「のんきな話してるばあいじゃないでしょ!これからどうすんのよ!」と江ノ島ちゃんと大和田が憤る。
私は報告なんてしてないけどいいのかなと作った笑みで眺めていれば鋭くはっきりとはさた声が響いた。
「ずいぶん騒がしいのね」
「霧切クン!もう会議ははじまっているのだぞ!」
いままでなにをしていたのかと石丸が問い詰めれば霧切さんはパサリと一枚の紙をテーブルに落とす。
それは希望ヶ峰学園の案内図であった。
そう、ここは学園によく似せられた建物なんかじゃなく、ここが希望ヶ峰学園なんだ。
霧切さんは一階の分しか見当たらなかったけどと髪を掻きあげて言うが、こちらは生徒手帳に記された地図しか無いのだ。今は一階部分に記された分しかないがその案内図は手掛かりとして充分だった。
→
零