霧切さんと話を終えた後、忍者らしく瞬身の術をやって見せたら間際に呆気にとられるとられている霧切さんが見えた。うーん、おどかしてしまったようだ。ごめんね。見たいって言ったの霧切さんたけど。

また明日。そう声をかけ自室へと戻る。



次の日ついにDVDを見せられる。
みんな顔が青ざめていた。
案の定私は友人と家族の映像だった。絶対とは言えない。けれど、何の対策もせずこの学園に来たわけじゃない。きっと彼らは無事なはずだ。先ほどからモノクマの視線が痛いのも何か関係しているのだろう。もちろんセレスとともに居たため気配は消していない。それも含んでかジロジロと不躾にみられる。


舞園さんが早く出なきゃ、と視聴覚室を飛び出した。それを追うように苗木も飛び出す。他人の恋愛におばさん根性で興味を示さないでもないが、いまは追いかけないでおこう。

霧切さんが私とセレスのそばに近寄る。

「あら、霧切さん」
「みょうじさん、あなたの内容言える?」
「ん、友人と家族のメッセージ、後に危ない場面」
「そう、それでも?」
「うん、出ない方がいい。」
「適応ですわね」

セレスが頷くようにいう。

「セレスさん違うよ、適応とかじゃないんだ。出ない方がいいんだ。ここから。」
「…それはいったい」

どういうことですの?と訝しげに眉を顰める彼女にここよりも外の方が危ないんじゃないかっていう話をセレスにも話す。

一生とは言わない。私たちが黒幕を見つけ出して正しく行動さえすればあとはどうにでもなる。大事なのは大神さんが、舞園さんが、桑田くんが、手を染めないこと。舞園さんが手を染めようと思わなければ、桑田くんが過剰防衛しなければ、たらればと言っていることではないが、確実に初めに手を染めるはずだったのは大神さん…さくらちゃんだ。

セレスの言う適応はこの状況を受け入れること。つまり出たいことには代わりがない。出られるなら出たい。つまりそういうことだ。

セレスの考えは前提から考え直さなければならない。

「ここから出る=(イコール)助かるが正解じゃないってことだよ。」
「つまり?」
「幸いここには敵さんがいらっしゃる。こんな大々的にやってるってことは組織か何かだと思う。たぶん警察や、政府も躊躇するような巨大な。ここには幹部の誰かが入り込んでるんじゃないかな。」


ポカン、とするセレスはなまえに慌てたようにいう。

「それは…なまえさんの思い過ごしなのでは?」
「そうかしら。」

それに口を開いたのは霧切だった。

「私はそうは思わないわ。それにここで助けを待つよりも黒幕を見つける方が堅実的だと思う。」

幸いにもここには超高校級が集まっているのだから。

霧切の淡々とした言いように首を傾げる。

「危ないから動きたくないなら私一人で動くよ」

手伝って欲しいと言ったがそこまで強要するつもりないよ。そう伝えれば霧切からギロリと睨まれる。

「自分たちのことなんだから自分で行動するわ」
「そう…ですわね。そちらの方が無難、でしょうか。」
「セレスさん、霧切さん…危険なことはしないで、絶対。

それと、何かあったら私を呼んで。
私が、キミらの騎士(ナイト)になるよ」

へらりとわらえば霧切は頬を緩めふっ、と吐き出すようにわらった。セレスは意味がわからないと言うように目を細めた。

「確約は出来ないわ、けれどそれは確かに百人力ね」

「どういうこと、ですの?」

「そうだなあ、私は私ってことだよセレスさん。」

へらりへらり笑っているとセレスはわかりました。と一つ頷いた。

「お二人の案、お受けいたします。けれどこちらも考えあって貴方の意思に反した際はそれを裏切りととって下さって構いませんわ。わたくしが貴方の意見を信じられなくなった際には。」

「そうだね、それは個人を尊重するよもちろん。あくまでも私は黒幕と相反する立場だから。だけど、クロにだけは、ならないでね。それさえ覚えててくれればいいよ。」


それから動機の件についての話題に移り、各々の内容は言えないがえげつない内容だったことは理解できた。

石丸と桑田は青ざめた表情を隠し切れていなかった。石丸の家庭はごく普通の家庭だったはずだ。苗木と一緒でその映像だろう。桑田もだろうか?

十神ですら狼狽えたあの映像、その人の動揺するポイントをピンポイントで狙うのだろう。

ぐるりと辺りを見回しその場を後にする。

苗木は私の言ったことを覚えていてくれてるだろうか。夜訪ねてくるだろう舞園さんを思い描きながら後ろから近づく気配に気がつく。

桑田と不二咲だ。

「あれぇ?みょうじちゃんじゃん」
「えっと、あー、うん?どうしたの?」
「いやいや、別になんもないんだけどさ、見かけちゃったら女の子には声かけるっしょ!普通!」
「そ、そーなんだ、不二咲さんも」
「う、うん」


チラリと不二咲を見れば困ったように嬉しそうに笑っていた。この子もその理由で話しかけられた口か。

ふと部屋を通り過ぎる際、「ああ、ここが舞園さんの部屋か」と立ち止まる。霧切さんと苗木くんの次、3部屋目なのか。

つぶやくように言うと、不二咲さんからおずおずと声がかかる。

「えっ、と、舞園さんに、何か用事?」

「え?あ、うん、まあ今じゃなくていいんだけど、後で間違わないように覚えておこうと思って。」

桑田君に。と声に出さないでつけ加える。二人はふーんと興味ありげに舞園の部屋を見る。まあアイドルの部屋だしね。気になるよねやっぱ。

「で、みょうじちゃんの部屋は一番奥ってかー距離あんなぁ」
「ねー、ホント歩くの疲れるよ」
「まだわけーじゃん!」
「えー、でも疲れることには変わりないじゃんねぇ、不二咲さん」
「えぇ?あ、うん。そー、だね」

こくこくと頷く不二咲になんとなく生暖かい目を向ける私と桑田。

「あ、えーと、それじゃあ。送ってくれてありがとね」
「おー、また明日な」
「ま、またねぇ」

小さくてを振る不二咲さんの可愛さに心を打たれました。小動物プライスレス!