「みょうじ、あんた無事だったの」
「うぇ!?あ、無事って言うか…いや、うん、何事なく……」
えっと、と流石にむくろちゃん匿うために隠宅発動していましたーてへぺろっとは言えないので言葉を探しながら、結局はいい言葉は思いつかなかった。
「ていうかみょうじさん、あなた…」
セレスにジッと右手に視線を固定されなまえはげんなりと左手で額を抑えた。
腐川に不潔よ!っとキーキー喚かれたがそんなこと渡しに言われても私指先に力なんて入れてないっすよホント苗木さんは何を考えているんだ…
セレスは目を細めにんまりと笑う。
これはよからぬこと考えているなぁ、となまえはこっそりと肩を落とした。
欝蒼とした気分でなまえが彼らの前に現れると、"いつ帰ってきてたんだよ。"という視線を頂戴する。今だよ今。そんなこと問われてるはずも、言えるはずもなく、意味もなくへらりと笑いごまかした。
「お二人はついにそのような関係になられたんです!?」
騒ついていた空気の中、山田が鼻息荒く身を乗り出した。
ついにもなにも、そのような関係もなにも無いんですよ山田氏。"うおー!うそだろ!?いやしかし女体化ならありか!?"と息巻くのはマジ勘弁してください。嘘ですので。誤解ですので。女体化は見るのはいいけどネタにされたくないです。そもそも、あ、ありかも。と思ってしまった自分が残念すぎる。
人知れず頭を抱えるが、おい苗木照れてないで何か言えよ。と口悪く溢れそうになるのをこれまたグッと堪え、
「落ち着け変態」
ウヒィ!?と変な奇声をあげた山田氏になまえは、1度目を瞬く。
「あ。まちがえたー、「くたばれ変態?」」
セレスと被った言葉になまえは彼女と目を合わせて可憐に笑うセレスに苦笑する。
「いいですこと?みょうじさんは私のナイトです。卑劣な妄想の対象にしないで下さいな」
「え!?」
確かに言った言葉だが、なぜ苗木が驚く。そこまで突拍子も無いことだった?
なまえはちらりと苗木を見て内心首をかしげた。
「なまえさん」
「…はあ。」
「なまえさんのナイトは、ボ…ボクだから」
「………は…?」
思わずぽかんと開けてしまった口を慌てて閉じ、言ってから恥ずかしくなったのか真っ赤に染まった苗木を真正面から見据えてから、しっかりと握られた手に視線を向ける。
「あら」と口元を押さえたセレス。おお!と歓声をあげる朝日奈。目を見開くサクラちゃん。腐川さんはわなわなと震え、葉隠は水晶を手から落としあんぐりと口を開け、十神は馬鹿馬鹿しいと言わんばかりに顔を背け、山田は…ゲンナリと砂糖を吐きそうな顔をした。
「いや、あの、えー…」
「め、迷惑じゃなかったら、なんだけど……」
慌てて手を離し、わたわたとし始めた苗木になまえはゆっくりと下ろした手で口元を押さえた。
その手の下でなまえは口を動かす。
え、うそやろ?てかここまで勇気ある子なの苗木って。え?なにこれ返事求められてんの?告白?告白なの?ナイトってなにこれこんなこっぱずかしい台詞を彼女たちに私も吐いたの?うお、まじかよ。今さらクッソ恥ずかしくなってきたんですけど。
ぐおおお、となまえが身悶えている中苗木はさらに続けた。
「ボクと付き合ってください!」
「え?え、ちょ…」
ホントどうしてこうなった。二人きりなら知らぬ存ぜぬぬらりくらり交わせたのに。コイツ確信犯なんじゃねーの。好感度不足だって言ったでしょ。
「お、お友達からでお願いします…」あ、これじゃあ、友達ですらなかったみたいだ。
→
零