昨日あったことを思い返しながらなまえは深くため息をつく。あれから騒然と化した空気を一掃させたのがモノクマだった、ということもある。盛大に茶化しにきたモノクマに周りが冷めた目で見つめるという謎の一体感が生まれた。

「な、ナンダヨォそんな目で見るなよ!」
と捨て台詞を吐いて漫画のようにモノクマは駆け出していった。そんな空気で解散となりなまえはげんなりと自室へと戻った。

そして夜が明けアナウンスが流れ現在に至る。

まさか。まさか。"殺し合い学園生活"でリアルに告白するやつが出てくるとは思いもよらなかった。あぁ、そんな目でみるな、見ないでください響子さん。無言で、没落なんて言わないでください。口唇でわかる自分がツライ。

「何がトリガーだったのかがわからない」

頭を抱えて嘆くなまえに霧切が大げさにため息をつく。

「見捨てないでください…」
「モテて嘆く子なんて…」
「正直モテても嬉しくないです」
「恋愛に興味ないの?それとも好きな人がいるとか?」
「両方だけどどちらかというと後者」

はあああ、と本気でため息をつくなまえに霧切は目を瞬いた。

「えっ」
「え?」
「希望ヶ峰学園の人?」
「いや…そもそも、この世界にはいない人かな」
「……それは………山田くん的な意味で…?」
「そうだったら諦めつくんだけどねー」

ヘラリと笑うなまえに霧切は眉をひそめる。正直意味がわからない。この世界に存在しない、二次元でもない存在がなんなのか見当もつかないからである。そもそもなまえ自身が規格外であるからわからないのは当然であるのかもしれないが、こうも要領を得ない内容だとなんと切り返していいモノか。

「会いたいなぁ」
「その、大切なモノは黒幕に知られているの?」
「……………知られて、もし彼がここにいたらどんな学園生活でも幸せなんだろうなぁ…」

想像して頬を染め破顔するなまえ。うん。クロノくんともし、一緒に学園生活送れるとしたら、こんな幸せなことないよね。彼女たちと知り合ってなかなか楽しかったけど、やっぱり、クロノくんの制服姿とか、先輩後輩関係とか、魔法も捨てがたいけど普通に出会ってたらどんな感じだったんだろう…。「幸せなご想像中申し訳ないけど、そろそろ朝食の時間よ」
「……ごめん、なさい。」

すでに身支度を整えドアノブに手をかけている霧切の後になまえはおとなしく続いた。

「やっぱ。好きだなぁ。」
「そんなにその人のことが大好きなのね」
「響子さんから大好きだなんて言葉…あ、ごめんなさいすみません。んー、うん。……大好きで大切。だから恋愛はしばらくいいかな。」
「そう…わかったわ。色々腑に落ちないことや、わからないことばかりだけど…手助けはしてあげる」
「響子さん!好き!」


バッ!と抱きつくなまえに霧切は片手で制した。その瞬間、2つ隣の部屋から対象の人物が廊下で目を丸くしているのを目端で捉えたが気にせずに食堂へと足を進めた。



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おかしい。
こんな流れになる予定はなかった。