「あーあ、みーんな部活辞めちゃったね…霧野、神童」

「…そう、だな」
「仕方ないだろ」

あーなったらしょうがないのかねぇ、と奏はやれやれと肩をすくめた。これだから今のこの部を姉ちゃんに見せられないんだよ、ほんとまじで。自分の実力不足以上に今の部活動に不満がある奏は腰をおろしていた椅子から突っ立ている彼らに声をかける。

「霧野たちもやめんの?」

何の反応も見せない彼らにふてぶてしく笑ってみせる。
「ま、俺は続けるけどね」
「はっ…?」
「水鏡?」

目を見開いた2人に奏はニタリと口角をあげふふん。と鼻を鳴らしたあと勿体振るように告げる。

「ねーちゃんから聞いた話なんだけどさ、すっげえ面白いこと始まるんだこれから」

「お前兄弟なんていたっけ」

「ばーか!俺は一人っ子だ!従兄弟のねーちゃんだよつーか大事なのはそんなことじゃなくて」

「面白いこと、だろ?まあ俺には関係ないな」

霧野は首を振れば奏は霧野の頬を摘む。

「ところがどっこい。いいから楽しみにしときな。」

「よく楽しんでられるな」
「こんな大変な状態なのに」

「へへっ…サッカーやろうぜふたりも」



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時系列的には「01」とおんなじくらい