月に数回、1日起きている水鏡を見ることで何か法則的なものを見出だせないか。改めて思い返せば自分でも意味のわからない考察だった。
今日がその日であり、机にノートを広げペンをもち黒板に書かれる文字を辿っていた。
どことなく教員の弾んだ声な気がする。
「あー…じゃあ…この問題を円堂…んや、水鏡頼むわ」
え゛、瞬間円堂が嫌そうな声をあげた。まあ円堂はこの科目得意じゃないもんな、ああこれに限ったことじゃないか。円堂から水鏡へと標的が変わったことで円堂がちらりと水鏡の様子を伺う。そして起きているのを視界にいれ安堵した。とても分かりやすいキャプテンに思わず、これじゃあどれだけ作戦練ってもバレるんじゃと苦笑を浮かべる。
「………」
無言のまま立ち上がり、いつも使用しているであろう就寝グッズが成りを潜めていることに気がつき瞠目する。ようやく、常識そして道徳観を理解したのか。そのまま前へ趣きチョークを持ち書きにくそうにしながらも完成させた解はまさしくその通りで、ああ、水鏡勉強出来たんだ、なんて認識を改めさせられる。
勉強のベの字も興味がない円堂を再び見据えれば輝いた表情で水鏡を見ていた。
そこまで考えてようやく彼の言っていた台詞を思い出し、決して認めたくなかった事実を理解することになる。
(円堂が、水鏡そらに憧れて…る…だと…?)
―――――――
さーてこれは誰でしょう
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零