……珍しく、今日は外へでた。もちろん休日に。ほんとうは今日、近所のお手伝いをする予定だったんだが、今日は別にいいと断られた。

10分ほど歩き続けたあと歩きたくなくなった。ああもう、面倒。ぽやーんっとだんだん虚ろになる目をそのままにし座り込む。

「…………っ!」

ガシ!わしづかまれた腕に一気に頭が覚醒する
なに、これ。
ぱちくりと目を瞬けばひどく心配した表情の見知らぬ美人。その後ろにもう一人。

「おい、大丈夫か?」

少しだけ声が低い美人な人が私を立たせ服に付いた砂をを払ってくれた。

意味もわからずこくこく、と何度か首を縦に振る。どうしたんだこの人は。

近くにあったベンチにそらを座らせ茶髪の子が自身のカバンからペットボトルを取出し渡された。

「ほら、ちゃんと水分とって」

「あ、ありがとう…ございます」

「家、どこだよ送ってやるから……」

あれ、なにやら大変なことになってる…?二人に本気で心配されているそらはようやく事態を掴んだのか困ったように微笑んだ。

大丈夫です、と安心させるよう笑いかけてあげれば納得していないような顔をされた。そんなに信用ないのか私。

「だって…えーと…えーと…」

んんん?と首を傾げていれば茶髪の子が、オレは源田でこっちが佐久間。と意を汲み取ってくれた。

「あ、わざわざどうも…」
ぺこり頭を軽く下げ再びだって、と続けた。


((あ、歩くのが面倒だなんて言えない……!))
(……?おーい?)