いつの間にか私と一之瀬だけを残し遠巻きに話をしていた秋と土門に呆れながらも親友に「話は終わった?」と笑顔で言われたら押し黙って頷くしかない
「じゃあ、また」
「うん、楽しみにしてるよ」
一之瀬と最後の言葉を交わし土門に頭を撫でられ少しばかり別れを惜しんだ
「あーあ…あの細腰とも当分おさらばかー」
「そらちゃん…」
「……隣寂しくなるな…」
「……………うん」
少しだけ、落ち込む
起こしてくれる人がいなくなる、話しかけてくれる人がいなくなる、いつも隣で笑ってくれる人が明日からはもう、いない
「なら一之瀬くんそらちゃんにとっては大事な人だったんだね」
「そだね、…ってうわ!!ごめんね秋私そろそろ行かなきゃ!」
携帯を開き時間を確認してあら吃驚。いつもよりも30分も遅刻していた
「ああああ、お姉ちゃんに怒られる!!」
居候している分際で遅刻やら何やら迷惑かけるのは仕方がないですまされない。夕飯がかかってるんだから!!
秋も分かってくれているため先に行ってもいいよ?と促してくれた
が、ダメ絶対
女の子を(しかも秋)一人で帰らせるとか(しかも私のせいで)私の主義に反する
「秋さま送らせて下さい」
「そらちゃんはお手伝いもあるでしょ?ダメだよ」
「お姉ちゃんには先に遅れるって伝えといてもらうから平気だよ」
お姉ちゃんには迷惑かけたくないんだけど…、にこにこと大丈夫大丈夫ーと口ずさみ秋の手をひきのらりくらりと歩き出す
(あーあ、おばさまになんて言おう…)
→
零