現在私は正座させられている
かれこれ2時間ってところか
「………う、あー…大変申し訳ない乃々美姉」
「なに?」
「以後遅くなるときは連絡しますすみませんすみませんホントごめんなさい!私おばさま手伝う約束してるんで行ってきます!」
「あ、こら逃げるな!!」
久々に早口でまくし立てお姉ちゃんの咎める声をBGMにダッシュで家を駆け抜ける
おばさまになんて謝ろうか…
「ごめんなさい、遅れました!」
そこそこ人が入っているお店
昔良くしてもらったおばさまが過労で倒れてから私がお手伝いしている。乃々美姉からは居候なんだからそれくらいしてもバチは当たらないわよ―っとキツイ一言を頂いた記憶はもう随分昔だ
あたりを見回せば丁度ここを切り盛りしているはずの少年が留守だった
あれだけ店を開けて出るなって言ってるのに…遅れてきた私が思わず口走る
「そらちゃん!注文いいかい?」
「はーいただいま!」
にこにこと愛想を振り撒き常連であるおじさんにエプロンをつけながら近寄る
伝票と鉛筆を片手にご注文は?と尋ねれば「日替わり定食二つと生中で」確認してメモをとり伝票をいつもの位置に置く
とりあえず今日の日替わり定食を作らなきゃならない
(しばらくは虎丸帰ってこないだろうから)
(いそがしいかな)
→
零