「…………」
「…………」

「…………」
「…………」

「…なんだよ」
「……」

「おい」

無表情のまま俺を見て制止する虎丸、の姉だったか…そいつは何も発さず本当にただ見ているだけで、俺の苛立ちは直ぐにでも爆発しそうだった。その時、そっとそいつは口を開いた

「君、……」
「あ゛?」
「………いやなんでもない」
「なんだよ」

一体なんなんだ。目を細めてそいつを見ても、もうすでに興味のない素振りで空を見上げていた。
垂れている髪を引っ張って催促してみるが特に痛がる様子もなく一瞥されただけで終わった。

「お前さ、」
「あ、誰だっけきみ」
「……」

イラッときた。人がせっかく言葉を見つけ発しようとしたら被せるように遮りあまつさえ、誰だ、だと。

「ハッ、誰がてめぇなんかに教えるかよ」
「ふうん…」

くあっ、とどうでも良さげにあくびをしたソイツにブチッとキレた。

「うぜぇな!言いたいことあんならとっとと言えばいいだろ!」
「え?ああ、いや特に」
「蹴るぞ」




つまり要約すると…君いつも一人なのか。らしい。やつのそれは疑問でもなんでもねぇただの肯定だった。鼻で笑って知らねえな、と軽口を言えば怒鳴ってこちらに向いた目線が再び空へ

そらはそらでぼんやりと何故絡まれているんだろう。としきりに頭を傾げていた。

「きみ、どうしてこんなところにいるの」
「選手だから」
「そうじゃなくて」

なんで店の前にいるの。


(ただのロードワークだ)
(随分長い間ここに立ってたようだけど)
(気のせいなんじゃねえの?)
(……へえほおふーん)