「……あの、」


不動さん?虎丸が冷や汗をだらだらと流しながら口元を引き上げ首を傾げる。逆に問おう。お前がどうした。かなり不恰好だ。しかしそんなことはどうでもいい。

「お前の姉貴、どうにかなんねーのか」
「姉…貴?俺に兄弟は…あ、そら姉のことですか?」
「あいつマジふざけてやがる」
「……はあ、」
「人の名前は覚えねぇし。」
「……」
「話も通じねぇ」
「……」
「ムカつく事ばっか言ってきやがるし」
「……あの、不動さん?」
「あ゛あ?」
「無意識ですか?笑ってますよ?」


虎丸が不思議そうに頭を傾むけ尋ねれば、思いきり顔をしかめられた。おまけに頭部にベシっと一撃くらった。

「ふざけたこと言ってんじゃねーよ」

笑ってなんかない。
嫌そうに歪めた顔を隠しもせず腕を組む不動に虎丸は思わず口を開いた。

「あ、そういえば昨日はお店来てくださったそうで…」
「行きたくて行ったわけじゃねえ!」
「はい、それでも」

そら姉の料理は美味しかったでしょう?
にこにこと尋ねれば、そっぽを向かれたが肯定の意なのだろう、と捉える。少しだけ不動と近づけた気がする虎丸は「今度はおれの料理も是非食べに来てて下さい!」嬉しそうに顔を綻ばした。


(ふん、行かねえよ)
(そら姉共々、待ってますね!)
(おい、聞けよコラ)