「お弁当持ってきたよー」

秋と春奈に促されのの姉に荷物持ちとしてちょこんっと立っていれば、春奈にどこの売店の人ですかなんて言われた。挫けそう。冗談だから、と秋にフォローされ弱々しく頷いた。のの姉のお陰で身心ともにブロークン状態だったため少しだけ心に染みた。私や…主にのの姉を誰だ誰だと見ている様子だったが虎丸が「乃々美姉!?そら姉!?」と声を発したため、彼に注目が集まった。



「うわぁ!サッカーボール!」
「あ、それはそらが言い出したのよ」
「ばっ!のの姉!」



その後も実はそらからイナズマジャパンにお弁当作るから手伝ってくれって頭下げられてねー、なんて人混みの真ん中でペラペラ喋るのの姉に知らん顔しため息をついた。

「わざわざすまないな」
「…………、ああ監督さん…」
「試合を前に彼らもリラックス出来たかと。」
「いえいえ、あ、事前に何名分作ればいいか教えて下さってありがとうございます。すごく助かりました」

どうぞ、監督さんの分です。わざわざ悪いな…云々監督と少し話していたら唐突に謝られた。え?と首を傾げたら彼らが無理にマネージャーになってくれと頼んでいた件だった。何でそれを監督が謝るのか、そう尋ねたら目を細められた。

「私だって手伝えるなら手伝いたかったです」
「だが、」
「はい、それはできません。だけど応援してるんです。虎丸を、円堂たちを」

「…………奴らの話からだいぶ変人だと聞いていたが……ずいぶんと常識を弁えているな」
「それ言ったの誰ですかお弁当没収してきます」
「……」

監督が黙秘を使ったため結局は解らずじまいだったが円堂と秋、並びにイナズマジャパンがありがとうございました!と頭を下げ口々に美味しかった!スッゲーんだな!今度食べに行きます!と感想を告げられ頬を緩めた。

いつまでも周りに群がる選手に苦笑いしていたら暗い顔した豪炎寺に気がついた。

「ねー、豪炎寺」
「…ああ水鏡か…」
「キミさどーかしたでしょ」
「……は?」
「大丈夫、だよ。だってこのチームは幸運のキーマンがいるからね!」驚いた様子で目を見張る豪炎寺にニターと笑えば、なんだ。と問われた。

「円堂も昔似たようなことあったなって」
「円堂も…?」
「そ!円堂も」
「水鏡は、…その時何て言ったんだ…?」

そらを真っ直ぐ見つめ問う彼に一度心配そうにこちらを見ている円堂に視線をあげ、薄く笑った。

「秘密!」

プライバシーだよ豪炎寺!だけどね、一人で全部背負わなくて言いと思うよ、だってサッカーだもんね。


久遠は先ほどの位置から様子をずっと伺っていた。鬼道と円堂にアイツがマネージャーにしたかったヤツかと口数少なく尋ねた。

「そう、ですね」
「あいつは俺の恩人だしな!」
「「え……?」」



(頑張れ!応援してるよ!)
(そら、そろそろ片付けるよー)