「え………」
郵便受けを開き開口一番がそれであった。「…………え?」ぱあ!と弾けた表情に後ろから見ていた乃々美が「どうかしたの?」と声をかけた。
「友達からの手紙!」
「へえ…文通相手?」
「違うよ、夏未だよ」
「ああ、夏未ちゃんね」
一度あったことのある彼女は礼儀正しい少女を思い浮かべ頷いた。そういえば少し前に夏未ちゃんが外国へ行ってしまったと酷く落ち込んでいたときもあった。
「のの姉ちょっと私今日お手伝い遅れるっておばさまに伝えといて!」
「りょーかい」
部屋に着くなり封をあけたそらはゆっくりと中身を取り出した。入っていたのは手紙である。
「うわ…夏未らしいなあ」
几帳面なのか。歪みのない綺麗な字をほんの少し羨んでから内容に目を通した。
つまり要約したら雷門と夏未のチームが戦うからそのチケットを送った、てことらしい。ああ、便箋にまだ入っていたのはこれだったのか。
ん…チケット…?夏未のチームが、雷門と?うわ!
「なにそれ面白い」
にまにまと笑みを浮かべ手紙をしまいこんだ。返事をしようと持っていたペンを下ろし、携帯に持ち帰る。一言だけのメールを返しパタンと閉じれば完璧、と言わんばかりに目を細めた。決勝戦なんだし、虎丸と約束したからね。おばさま誘っていきますか。
「やだもうなっちゃん愛してる私の性格よくわかってらっしゃるじゃないか」
P.S.返事はいらないわ。当日顔を見せてちょうだい。
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零