道中夏未からこっそりこの監督は円堂の祖父だと聞かされた。
サッカーのことはさっぱりだが円堂の祖父がすごい人だと言うことはわかっていた。彼を連れたチームが決勝まで進んでいるというなら、見ごたえのある試合になりそうだ。
「そらはどちらを応援するのかしら」
「へ?」
「私と円堂くん、どちらを応援してくださる?」
「え、」
きょとん、と目を瞬き夏未の言葉を理解するべく頭をフル稼働させた。
夏未の求めてる言葉、別に夏未は自分を応援してる、円堂を応援してる、なんて解答は望んでいない。ふたりとも頑張れなんて論外である。
難しいに解答に息をもらし首を鳴らした。
「なっちゃんはさ、本当に円堂が大好きなんだね」
「なっ…!」
「私夏未も円堂も大好きだからさ、どちらかを応援するんじゃなくて私の友達みんなを応援したいな」
虎丸も豪炎寺も、風丸も…あ、もちろん夏未と円堂もね。観客席で見守っとくよ。
にへら、とそらが笑えば前から豪快な笑い声が聞こえた。
「ははは!夏未一本取られたな!今から病院行くぞ」
「はい、監督」
「びょーいん?」
どっか怪我でも?眉を寄せてじっと見つめていたら私たちじゃないわ。と
「…?」
「響木さんよ」
「響木さん…って雷雷軒の…」
重々しく頷く夏未に事態の深刻さをさとる。
「私も行っていいの?」
「ええ、もちろん。」
「まあ行くと言っても意識があるかわからんがな」
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零