向かった先は彼女の家…ではなく、こじんまりとした食堂だった。


「帰宅時の寄り道は許してないわ」
「あ、家いきたいの?隣だから勝手に上がって構わないよ」
「そうじゃなくて!」

痺れを切らし噛み付くように口を割れば呆けた顔が写る

「あ、そら姉!帰ってきてたんだ」
「ん、あ、ごめん今から手伝うからちょっと待ってー」
「忙しくないから平気だよ」


小学生だろう少年と会話を交じり合わせながら慣れた手つきで厨房奥へと入る。

「…なんなの?」

「雷門さん、用があるなら待っててくれないかな?それかなんか食べてく?」










思い返す忘れもしない出来事に思わず顔を綻ばした。まったく変わらないんだから。「ありがとう。」なんて綺麗に笑うから認めないなんてことは選択肢になかった。

あとからこっそりあの子に彼女のことを聞いたら凄ましいサイクルにめまいを覚えた。

教師たちにも口添えし少しでも彼女の負担を軽減させたくて、「なっちゃん!」


「…?」
「着いたよー」
「そう。ありがとう」

「私、夏未たちにね会いたかった。
寂しかった。
辛かった。
泣いたんだ。
それでね、わかったんだ。私、悲しかった。」

「…そら?」

「皆が好きだ、夏未」

「そんなの、私もよ」

雷門のみんなも、コトアールのみんなも、もちろんそらも。


「うん。さ、響木さんのとこ行くんでしょ?」

−−−−−

「まだ、目覚めてないわ」
「そっか」


ロビーで待っていた私に夏未が残念そうに報告をくれた。


「早く目覚めるといいね」

「……」

噛み締めるように頷きおじいさんが来るのをまってから揃って病院をでる。

「「あ」」
「……あ」


「夏未!そら!?」
「久しぶりね円堂くん」
「え…ん、ど…?」

「…………っ!」


ぱしぱし瞬いたあと溢すようボタボタと涙を流すそらにその場の全員が絶句する。えぐえぐ、泣いてるそらに円堂は恐る恐る声をかけた。

「そら…?どこか痛いのか?」
「……えんど…さみしかった、寂しかった、会いたかった!」


タックルを決めるかのように吐露するそらは久々にみた。もう1月も学校に行ってなかったな。眉を下げ「連絡入れなくてごめんな」と頭を撫でれば、ううううー…!と号泣するそら


「決勝見に来てくれたんだよな?ありがとう」

抱きついたまま離れないそらへ抱きつけば何度か頷いているのがわかった。



「ダイスケ!」
「リュウ?」
「大変だ!」









とまあ、コトアールが!やら襲撃にあったやら俺も行く!などがやがやとコトアールに行く話は進み、そらは危険だから。とグイっと円堂から離させた夏未にぼっちプレイを強いられた私なのだが、こんなところでぼっちになっても困るよーみんな。小さく方を沈める。ぽつん、と近くのベンチに腰かけぼんやり時間を過ごしていれば携帯にコトアールは壊された敷居の片付けをするため寝床を確保できない、届いたメールが液晶に写し出され要約。壊された…って、また宇宙人再来か何かですか…。

「あー…どっか宿とるか…」

さすがにここまで赴いて野宿はキツイ。赴かなくても私は布団で寝たい。夏未へ簡単な返信を返し道行く人へ一番近い宿を尋ねた。