そこからの試合はたしかに凄いとしか言いようがなく、必殺技の進化の応酬。サッカーは、こんなにも心を熱くさせる球技だったんだ。胸の前で手を組みハラハラと見守っていれば円堂のおじいさんと目があった…ような気がした。
なんだったんだ?と首を傾げたら何やらニィッと笑い大きな声をだした。その声を聞いたとたん、いきなり動きにキレが出てきた相手選手。
「負けるな、みんな!」
静かに風が靡いた気がした。
怒濤の責め合いの末決勝戦を制したのはイナズマジャパンだった。ありきたりになるがとても凄かった。特にロココという選手は私から見ても別次元だと感じた。
あのコートにいる誰もがサッカーが大好きなんだ。興奮に熱を帯びた私がまあ、丁度出会った彼女たちになすすべもなく、露店に連れられ手首につけられた腕輪を強制購入させられ一気にテンションが落ちただなんてははは。そんなことないよ
その後彼女たちに連れられサッカーの見学をすることとなった。こちらもまた全身でサッカーが大好きと訴えているやつらで思わず苦笑になった。
「そら姉!見ててねー!」
虎丸に手を振り、秋から聞いた、今まで戦った彼らがドリームチームとなり楽しそうにはしゃいでるのを見て、なんだか持ってもいない我が子を見ている気分だった。
そんなとき、いきなり空が暗くなり、辺り一面に強風が巻き起こる。何事だ、と全員が騒然とした。と、同時に私の意識が途切れてしまった。
「そらー───!!」
最後に聞いたのは円堂の、私を呼ぶ声だった気がした。
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どうやら囚われの身になったらしい私こと水鏡そら。彼らは天空の使徒…つまり天使らしい。さっさと帰れよ。
至り尽くせりな状況に眉を潜めるが、憤る気も脱走を試みる気もなかった
だって外覗いたら下が見えないほど高かった。さすがに諦めもつくって。今は次々出される料理に目を丸くし膝に手をおき硬直していた。いや、ほらだってこれ一人分じゃないし、これ誰が食べるの…
「食べないんですか?」
「お召しにならないのならば片付けますが」
二人がかりで無表情に世話を焼かれても嬉しくない。
「あの、帰りたいんだけど…日本に…」
「………諦める事だな……………」
(いや、もとより選択肢ないじゃないか)
→
零