「これで今日は終わるか」
「お、もうそんな時間か」
終了の合図と集合を掛けた円堂を中心に部員がわらわらと集まる。
言われてみればもう辺りは薄暗い。毎日恒例であるマネージャーからのおにぎりを待っていれば木野と水鏡が談笑しながら運んでいた。そうか、そういえば今日は彼女たち2人しかいなかった。木野はまだしももう1人は水鏡だ。きちんと仕事したのだろうか。
こちらの視線に気付いたのか木野が俺たちを指差し水鏡を急がせる。持ってる割合は意外にも水鏡の方が倍近かった
「おまたせー」
「ごめんね遅くなって!」
コート脇のベンチに持っていたトレーを置いて広げる水鏡を手伝いながら木野が謝る。水鏡はもう歩くのも億劫そうだ
「………今日やけに形が整ってないか…?」
誰かがボソリと呟いた。ジッと手元にあるおにぎりを見つめれば確かに味もいつもと違った。
「そらちゃん凄くおにぎり握るの速くて驚いちゃった!」
「あー…あーゆうのは時間が勝負だしね…」
うつらうつらと頭を揺らしながら目を擦りなんとか起きようと頑張る水鏡に円堂が声をかける
「そら相変わらずこういうの巧いよな」
「ん…」
円堂の笑顔に習いにへらと笑い自身も握ったご飯を食べる。円堂と水鏡の会話を聞いていた周りはえ?、は?と各々騒つく。
「相変わらず?」
「水鏡って料理巧いの?」
「えー出来なさそう…」
「あはは松野死刑ー」
「ちょ!?」
実は料理出来るんです
(さて、頼まれ事は終了したよー)
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零