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パンツ一丁に、手袋というなんとも不格好な綱吉に、先程急いで購入したTシャツとズボンを手渡す。「なまえ!あ、ありがとう……。あの……」
「おい、なまえ。お前もこのまま家に帰れ」
「わかりました。笹川さん達を送ってから帰ります」
綱吉はわたしになんて声をかけていいか迷っていたみたいだが、そのままリボーンさんに連れさられて行ってしまった。
リボーンに冷たく突き放されてしまった獄寺くんや山本くんには何も声を掛けない方が良いだろうと思い、わたしはそのまま笹川さん達の方へ向かい、彼女達を家まで送った。
帰り途中のコンビニでランボ達にジュースとお菓子、母から頼まれていた卵を購入してわたしも自宅へと戻った。
帰宅すると玄関に見覚えのない、泥や砂で汚れた長靴とヘルメット、そしてツルハシが置いてあり、もしやと思いリビングダイニングを覗く。
「お父さん」
「なまえ!久しぶりだなぁ〜!お父さんのこと忘れてないか!」
「忘れる訳ないでしょう。おかえりなさい、お父さん」
なまえ〜!と言いながらわたしに駆け寄り全力で抱き締めて来たが、あまりにも力が強すぎて一瞬息が詰まりかけた。抱き締め返した後何かに気付いた様子で、先程まで何処にいたのか尋ねられた。
「並盛商店街よ。綱吉にも会ったんだけど……」
なんて説明すればいいのか分からず、言い淀んだわたしに笑顔で、そうか!と返した後、特に話を深掘りされることも無く、父の仕事先の話や高校生活の話へと変わった。
父はつい先程帰ってきたばかりらしく、母は父の為に懸命に料理を作り続けていたので、卵を手渡した後、大量の洗濯物を請け負うことを伝え洗面所へと向かった。
あの後、二十人前の料理を母と共に作り上げたが、父はそれを見事に平らげてしまったので、母とスーパーに買い物に向かっていた時に、どうやら入れ違いで綱吉が帰ってきていたようだった。リボーン達の分の食事を作る為に早速作業に取りかかろうとするが、まずはこの散らかったリビングを片付けることが先だと思い床に落ちている空き缶や空き瓶を拾うところから始まった。
◇
「バジルはどうだ?ロマーリオ」
「命に別状はねえ、よく鍛えられてるみてえだ。傷は浅いぜ、ボス」
あの、彼は何者なんですか?とツナは問う。
「やっぱりボンゴレのマフィア……なんですか?」
「いいや、こいつはボンゴレじゃあない。だか確実に言えることは……。こいつはお前の味方だってことだ」
ディーノがそう告げると、ツナは驚いた様子で「さっきのロン毛がボンゴレなのに敵で、そうじゃないこの人が味方って?!」と混乱していた。
「つーか別にオレ、敵とか味方とかありませんから……」
「それがなあツナ、そうも言ってらんねえみたいだぞ」
「あのリングが動き出したからな」
リング?と頭上にクエスチョンマークを浮かべたツナにリボーンがリングの説明をする。それを聞いたツナはぞっとし、ロン毛の人がボンゴレリングを持ち去ってくれて良かった等と呟いている。
「それがなあ、ツナ。……実はここにあるんだ」
「ええーー?!?!」
思わずリボーンも一瞬肩を揺らした。どうやらディーノの持つボンゴレリングが本物で、とある人物からツナに渡すよう頼まれたらしい。ディーノはその頼まれていたボンゴレリングをツナに手渡そうとするが、受け取りたくないツナは無理矢理な理由をつけ足早に去っていってしまった。
「あいつ、逃げられると思ってんのか……?」
「……バジルは……囮だったんだな……」
「ああ。恐らくバジル本人も知らされてねぇ。あの人のことだ、こうなることは読んでたんだろうが……」
相当キツイ決断だったと思うぜ、と小さな声でディーノは呟いた。恐らく同じ上に立つ者として、この決断の裏側に隠された苦渋を悟ったのだろう。
「そういえば、なまえは大したもんだなあ」
暫く沈黙が流れたが、思い出した様子でディーノを話題を変えた。
「ああ、あいつは頭が良いからな」
「分からないなりに状況を把握しようと、必死に周りまで注意してたぜ。オレも隠そうとしていなかったが、気配もしっかり感じ取っていたみたいだしな」
「頭も切れるし、運動神経も悪くない。素質はあるんだが家光が嫌がってな。引き取ってからこちらのことは一切教えなかった」
今回はそうもいかないかも知れねえけどな、とリボーンは呟いた。