01
くるんと跳ねた赤髪も、男の子にしては大きい目も、声も。ぜんぶぜんぶ。
「紗英ー!」
「…太陽」
だーいっきらい!!!
▽
「ねぇ紗英ちゃん、」
「なに?」
「紗英ちゃんと太陽くんってさー」
ああ、またその話?
「付き合ってないよ」
私は先回りして、その子が聞きたかったであろう言葉を吐き捨てるように言った。
「あ、そうなんだー!」と安心したように私の元から去っていくその子を見て、なるほどと合点がいった。
私の幼なじみである太陽は、意外とモテる。
人懐こい笑顔と気さくな性格、そこそこ整っている顔。年頃の女の子ならば誰しもが好感を持ち、近寄りたいと思う彼だが、彼にはひとつだけ問題があった。それは。
「紗英ー!一緒に帰ろう!」
彼は、幼い頃から私のことが大好きなのだ。
タイヨウノウタ
(そんな彼が大嫌いな私のお話)
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