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くるんと跳ねた赤髪も、男の子にしては大きい目も、声も。ぜんぶぜんぶ。

「紗英ー!」
「…太陽」

だーいっきらい!!!






「ねぇ紗英ちゃん、」
「なに?」
「紗英ちゃんと太陽くんってさー」

ああ、またその話?

「付き合ってないよ」

私は先回りして、その子が聞きたかったであろう言葉を吐き捨てるように言った。

「あ、そうなんだー!」と安心したように私の元から去っていくその子を見て、なるほどと合点がいった。

私の幼なじみである太陽は、意外とモテる。

人懐こい笑顔と気さくな性格、そこそこ整っている顔。年頃の女の子ならば誰しもが好感を持ち、近寄りたいと思う彼だが、彼にはひとつだけ問題があった。それは。

「紗英ー!一緒に帰ろう!」

彼は、幼い頃から私のことが大好きなのだ。







タイヨウノウタ
(そんな彼が大嫌いな私のお話)

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