テストから数日。その日のE組の雰囲気は最悪だった。理由は……
「………これは一体どういう事でしょうか。公正さを著しく欠くと感じましたが」
《…おっかしいですねぇ〜ちゃんと通達したはずですよ。あなた方の伝達ミスじゃないですか?なんせおたくら、本校舎に来ないからハハハハ》
「伝達ミスなど覚えはないし、そもそもどう考えても普通じゃない。テスト2日前に…出題範囲を全教科で大幅に変えるなんて」
そう、それだ。やはり思った通りあの問題は、教えられていなかった。あの男は、理事長はここまでするのか。それほどまでして…
《…わかってませんねぇ、えーと…烏間先生?うちは進学校ですよ。直前の詰め込みにも、ついていけるか試すのも方針の一つ。
本校舎のクラスでは、なんと理事長自らが教壇に立たれ、見事な授業で変更部分を教え上げてしまわれました》
『……はぁ』
思わず溜息が出た。ずっと私達に顔を向けない殺せんせー。全員50位以内、それが条件だった。だが非常事態だ、この先生はどうするのだろうか。
「…先生の責任です。この学校の仕組みを甘く見すぎていたようです…君達に顔向けできません」
なるほど、それでずっと私達に背中を見せているのね。先生の様子を見かねて、なのか隣で音も無く立ち上がり、対先生用ナイフを殺せんせーの頭部目掛けて投げたカルマ。
まあ、当然避けられるのだが…
「いいの〜?顔向けできなかったら、俺が殺しに来んのも見えないよ」
「カルマ君!!今 先生は落ち込んで…」
パサッ
言葉の途中でカルマは、何枚かの紙を殺せんせーへと投げ渡した。それはテストの解答用紙。何故か私のまで持っていかれた。
「俺 問題変わっても関係ないし。見てよ遊乃ちゃんなんて、ぜーんぶ100点だぜ?
俺の成績に合わせてさ、あんたが余計な範囲まで教えたからだよ。だけど俺はこの組、出る気ないよ
前のクラス戻るより暗殺の方が全然楽しいし…で、どーすんのそっちは?全員50位に入んなかったって言い訳つけて、ここからシッポ巻いて逃げちゃうの?
それって結局さぁ……殺されんのが怖いだけなんじゃないの?」
思い切り殺せんせーを"挑発"したカルマ。その魂胆に、皆が気づいたのか目を合わせあう。
「「なーんだ殺せんせー怖かったのかぁ!それなら正直に言えば良かったのにねーー!〈怖いから逃げたい〉って」」
「にゅやーーーッ!!逃げるわけありません!!期末テストであいつらに倍返しでリベンジです!!!」
先程ほ落ち込みはどこへやら、真っ赤になって怒る殺せんせーや、その光景を見て笑う生徒達を眺めて、私も笑うのであった。
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