ぼんやりと、自分の席でクラスの子達を眺める。来週の修学旅行の班決めで賑わっていた。修学旅行、かー。私が行けるなんて夢にも思ってなかったことだ。
心做しか…いや結構楽しみだったりする。まあ、烏間が申し訳なさそうに皆に言っていたが、暗殺込みの修学旅行だけど。それでも目の前の子達は、普通の生徒のように楽しそうだ。
ふふ、と笑みを零したところで渚達と話していたカルマがこちらにやってきて、一緒の班にならないかと、なんとも有り難いお誘い。断る理由など見当たらない。
『…喜んで』
「断られたらどうしようかと思ったよ」
『断る理由なんてないわよ』
席を立ちカルマの後ろをついて歩く。同じ班であろう渚と杉野くんに宜しく、と手を振った。
「で、メンツは?渚君と杉野と茅野ちゃんと?」
「あ、奥田さんも誘った!」
あらはじめまして、その意を込めてひらひらと手を振る。それに気づいた奥田さんは顔を赤くして小さく、よろしくお願いしますと呟いた。かわいい。
そして杉野くんが得意げに、
「この時のためにだいぶ前から誘っていたのだ、クラスのマドンナ神崎さんでどうでしょう?」
あらあら、また可愛らしい女の子。マドンナと謳われるだけあるな。あの渚でさえ、宜しくと言われ顔を赤くしていた。青春だなあ。
ふわりといい香りがしたと思えば、目の前にはマドンナちゃん。
「遊乃、さん。ずっと喋ってみたかったんだ。修学旅行ではよろしく」
『遊乃でいいよ。光栄だなー。こちらこそ、よろしくね』
うんうん、笑った顔もすごく可愛いよ。お姉さん癒されたよありがとうごちそうさま。本当に自分が暗殺者だってこと忘れちゃうわ。楽しみだなあ。
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