次の日、案の定と言うか当然と言うかガムテープで見事に縛られている自律思考固定砲台の姿が、そこにはあった。
殺せんせーの仕業と思った固定砲台は、違反だと抗議するが、遮るように横から声が響く。
「違げーよ俺だよ。どー考えたって邪魔だろーが。常識ぐらい身につけてから殺しに来いよポンコツ」
ブンブンとガムテープを振り回しながら、固定砲台を睨みつけている寺坂君が答えた。生徒達の言い分はごもっともだ。昨日と同じアレを続けられればただの迷惑。
この子達にしてみれば、射撃で授業の妨害な上に撒き散らした弾の始末に労力を使う。
しかも、もし殺せたとしても賞金は恐らく開発者に行くであろう。そうなると他の生徒には何のメリットもないわけだ。
さて明日には、どうなっていることやら。
どうせ殺せんせーが何かするに決まってる。明日が楽しみだと今日は弾幕の無い1日を過ごした。
全ての授業を受けあとは帰るだけ。準備をしていると渚がこちらに近寄ってきた。
「…どうなるのかな、これから」
チラ、と固定砲台を見やり不安そうな表情で渚は言った。このままだと、まともに授業など出来たもんじゃない不安になるのも仕方ないだろう。
よしよしと、渚の頭を撫でてやり大丈夫だよと答える。
『きっと明日になったら、なんとかなってると思うよ』
私の言葉の意味が分からないのかコテンと首をかしげる渚が可愛くて、また頭を撫でた。顔を赤くしながらも大人しく撫でさせてくれる渚を、お持ち帰りしたいと思ったのはここだけの秘密だ。
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