次の日、私の予想通り変わり果てた固定砲台の姿。これは決して悪い意味ではない。突然の変わりように皆が戸惑っていると、


「親近感を出すための全身表示液晶と体・制服のモデリングソフト全て自作で8万円!!

豊かな表情と明るい会話術、それらを操る膨大なソフトと追加メモリ同じく12万円!!

先生の財布の残高…5円!!!」


と、ドヤ顔で説明してくれた。
最後の言葉は聞かなかったことにするが…


律 と言う名もつけてもらい、クラスの皆と仲良くやってる姿を遠目から見てる、私とカルマと渚。


「遊乃さんの言う通り本当になんとかなってたね。まさか殺せんせーが改良するなんて。それにしても上手くやっていけそうだね」


嬉しそうに呟く渚にそれはどうかなと、律を眺めながら反対の意見を述べるカルマだった。



―――


「おはようございます皆さん」


あぁ、うん、そうなったか…
教室には昨日居た律ではなくただの"自律思考固定砲台"に戻っていた。


「"生徒に危害を加えない"という契約だが…[今後は改良行為も危害と見なす]と言ってきた。

君等もだ。"彼女"を縛って壊れでもしたら賠償を請求するそうだ」


寺坂君が持っているガムテープを奪い、私達に伝える烏間


『…くだらない。改良してもらったんだから、有り難く思えばいいのに。賠償くらい、いくらでも払ってやるわよ』

「開発者の意向だ。従うしかない」


そう言い放った。


「開発者とはこれまた厄介で…親よりも生徒の気持ちを尊重したいんですがねぇ」


ポリポリと頭を掻きながら律を眺める殺せんせー。まあ、教師としてはそうだろうな


「……攻撃準備を始めます。どうぞ授業に入ってください殺せんせー」


突如無音だった教室に無機質な声が聞こえる。攻撃準備…その言葉に皆が警戒した。アノ、生徒達のことなど何も考えていない射撃が始まるのだから…


ブゥウウウンと音を鳴らし始める黒い物体

ジャキッと音と共に出てきたのは、たくさんの花束だった。


「………花を作る約束をしていました

私個人は[協調能力]が暗殺に不可欠な要素と判断し、消される前に関連ソフトをメモリの隅に隠しました」

「………素晴らしいつまり"律"さんあなたは」


律の言葉にパッと明るくなった殺せんせーは、言葉を途中で切る。


「はい、私の意志で産みの親に逆らいました」


昨日の可愛らしい笑顔を浮かべる律がそこには居た。それを見た生徒達は一気に明るくなったのだった。


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